タカネヨモギ(高嶺蓬) キク科(Asteraceae)
学名:Artemisia sinanensis
日本固有種の高山植物。 オオヨモギやミヤマオトコヨモギと同じ高山種のヨモギ。
ヨモギとは「よく燃える木」に由来する由。
お灸のモグサはヨモギの葉から作るらしいが、よく燃える! 熱くはないのだろうか??
高山植物の効用!?!として「信州大学農学部紀要 48」に興味深い報告を拝した。
「仙丈ヶ岳におけるシカ防除柵設置による高山植生の回復効果」
以下、抄録:
本研究はシカの食害によって高山植生が衰退した南アルプスの仙丈ヶ岳馬の背において,植生回復効果を調査したものである。シカ食害の影響を防止するため,2008年夏に防鹿柵が馬の背周辺のダケカンバ林床とお花畑に設置された。柵設置直後,調査地のダケカンバ林床ではマルバダケブキ,ヒゲノガリヤス,バイケイソウ,キバナノコマノツメが優占しており,お花畑ではタカネヨモギとバイケイソウが優占していた。柵設置後1年,ダケカンバ林床の柵内においてマルバダケブキとヒゲノガリヤスの植被率と積算優占度が大幅に上昇し,お花畑ではタカネヨモギが優占化した。各コドラートにおける多様度指数は,柵内外で平均値に差は見られなかったが,柵内において2008年と2010年の多様度指数に有意差が見られ,柵内の種多様度が増加した。柵内では高山植生の回復が徐々に進み,タカネスイバ,ミヤマキンポウゲ,ミヤマアキノキリンソウの優占度が上昇した。ここで得られた結果は,柵設置によって植被率が増加し,高山植生回復に効果があったことを示すが,一方でマルバダケブキとヒゲノガリヤスの高い優占度は他草種の回復にマイナスの影響を及ぼす可能性があると考えられた。
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