風車~~!《襍草 ・/・古往今来217》

カザグルマ
2014/06/02箱根湿生花園
“ヴィル・ド・リヨン”(クレマチス)
2014/10/25平塚市花菜ガーデン
“ドクターラッペル”(クレマチス)
2013/06/23相模原市麻溝公園

カザグルマ(風車) キンポウゲ科(Ranunculaceae)
学名:Clematis patens C. Morr. & Decne.

花の大きさ、径約10cmと遠目でも目立つ日本固有種の花。
クレマチス類の原種の一つ。それにしても童(わらべ)のように見える。
日本の中部以南、四国・九州・琉球で自生がみられる由。
しかし、近年、絶滅が危惧される程、減少。準絶滅危惧 (NT) 指定種。
同属とは言え、テッセン(中国原産)にとてもよく似ている。
テッセン(学名:Clematis florida Thunb.)
シーボルトが西欧に持ち帰ったカザグルマやテッセン。
それを基に品種改良されたものが「クレマチス」として日本に戻ってきた。


『研究者ノート』(筑波大学;松本定)
一般的に「クレマチス」と「テッセン」は同じと考える人が多いようですが、
分類学的には「クレマチス(Clematis)」は属(園芸種をも含み約2800種類)を指す。
ラテン語の学名で 和名のテッセン(鉄線)はこの中の1種(学名:Clematis florida)。
つまり、テッセンは学名にするとクレマチス家のフロリダさんで、
クレマチス家は約2800人の大家族です 。

感慨、「風車」。
この春、箱根湿生花園で風車が楚々と咲いているのを見る事ができた。
白花カザグルマは、我が子供時代の遊具、風車を想せる。
古代の人々もこの花の存在を知っていただろうが??
不思議と、江戸時代以前の文献にその名を見ない。
室町時代に近縁種のテッセン(中国原産)が渡来、茶花としてもてはやされている。
元禄8年(1695)出版の『花壇地錦抄』
そこには「風車には白、薄紫、薄桃色等の花色がある」と記されている。
現代では目にする機会は、植物園程度で自生の原野生地は知りえない。
先月、偶然に「平塚市花菜ガーデン」を散策する機会を頂いた。
野生的に見せる「薔薇」の数々。それに共演している野草の数々。
其のバランスは、自然植生のようで、誠に喜ばしく感じ入った。
驚きの連続の先に、「風ぐるま迷路」なるエリアもあってたのしい。
野のカザグルマなんて!!自生群落をこの目で見て見たいものだ。探すか!!
そんな迷路の入り口に瀟洒なクレマチスが堂々とこちらを見ていた。
“ヴィル・ド・リヨン”(クレマチス ジャックマニー系)
学名:Clematis‘Ville de Lyon’原産地:フランス 1884年;四季咲き。
耐寒性多年草;華やかさと、強健さを兼ねそろえたジャックマニー系品種。
四季咲き強健クレマチス。初夏から秋まで赤紫色の花を多数開花させる。
仏蘭西で100年来続くクレマチス(画像花は、テキセンシスの血が混ざっているか??)。
英国のジョージ・ジャックマンが作出した『ジャックマニー』は誉れ高いが、
それを基に交配種として作られた由。
バラと競演でイングリッシュガーデンの雰囲気を醸し出していた(平塚市花菜ガーデン感)。

以前、相模原市の麻溝公園に紫陽花を見に行ったおり見かけたクレマチス。
クレマチス・パテンス&ラヌギノーサ系;花径は10cmを越える大輪種。
“ドクターラッペル”学名:Clematis‘Doctor Ruppel’ 
キンポウゲ科クレマチス属;原産地:アルゼンチン 1975年
ミステリアスで独特な雰囲気を持つパテンス系品種と資料にあったような・・!
花色はピンク色で開花すると、花弁の縁が細かく波状になる!?!
淡いピンク色の花弁に濃桃色の筋が入り黄色の花芯とのコントラストが抜群に良い。
カザグルマを交配の親とした系統で、『パテンス』とは、『聞く』という意味。
西欧では、ヴィチセラ等の小輪咲きしかない。カザグルマが品種改良に大きく貢献してる。

 

11月04日誌「平塚市花菜ガーデン」


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