Search Bloguru posts

現代詩の小箱 北野丘ワールド

https://en.bloguru.com/cue0529

freespace

ハニワ魔神外伝

thread

皆がおっぱい飲んでいた頃
水道がコチンと凍り
手にも足にも霜焼けができ いたくてかゆい島があった
無縁 歴史とは関わらぬ時が 桜を五月に咲かしていた

怒ォーン ォオーン
ほったらかしに
されたままのある村の岬のどて腹を貫く隧道を
魔神は歩いていた
どこだ どこにいる 娘 娘の泣く声がする
オレは墓を守る衛士
汝ゆけと君詔られたかどうだかもうわからないが
オレは目覚めた
オレは怒る 怒りのハニワなのだ

怒ォーン ォオーン
魔人は村の河原にきて 岩とみればひっくり返した
どうダア だんごむしども
ダアア

しょせんはだんご
関係ないと逃げるのは習性であろう
ならば 薄
おまえはどうか
秋 ですから
        だと
季に詠まれ自足顔した抒情どもめ
髑髏の目でも突き刺しておれ
なぜだ
洪水でもない日照りでもない不漁でもない
臭い息吐くほおずき目のオロチも朽ち果て幾千年
それでも なにか
人柱にしなきゃおさまらんものがあるのか
そこのそこのそこにへばりついている
コケ
きさま なにかもの言え
・ ・・・・・ ・・・・・・・ ・・・・・
来たんだ 来たんだ 来たんだオレは
娘 娘の泣く声が満ちている
怒ォーン ォオーン
ン? 何か光るものあり
魔人の頭上を 一際 照らしたかと思うと
背後にほとりと 降り立つものがあった
魔神がふりむくと 娘の泣く声がはたと止んだ
足下に亀を従え
柔和に羽を腰にたたみ うつむく白鶴
頂には鋭い一角を成し 青き光を発していた
(なつかしい
 ひびわれ ひびけ魔神)
金属の羽をひろげ
瞑目する一角鶴(と亀)は去った

オレは
知らん

魔神のまなこから
塩の珠ほろほろこぼれ こぼれつづけている
#黒筒の熊五郎

People Who Wowed This Post

  • If you are a bloguru member, please login.
    Login
  • If you are not a bloguru member, you may request a free account here:
    Request Account
This user only allows bloguru members to make comments.
If you are a bloguru member, please login.
Login
If you are not a bloguru member, you may request a free account here:
Request Account
Happy
Sad
Surprise