昔
皆がおっぱい飲んでいた頃
水道がコチンと凍り
手にも足にも霜焼けができ いたくてかゆい島があった
無縁 歴史とは関わらぬ時が 桜を五月に咲かしていた
怒ォーン ォオーン
ほったらかしに
されたままのある村の岬のどて腹を貫く隧道を
魔神は歩いていた
どこだ どこにいる 娘 娘の泣く声がする
オレは墓を守る衛士
汝ゆけと君詔られたかどうだかもうわからないが
オレは目覚めた
オレは怒る 怒りのハニワなのだ
怒ォーン ォオーン
魔人は村の河原にきて 岩とみればひっくり返した
どうダア だんごむしども
ダアア
ア
しょせんはだんご
関係ないと逃げるのは習性であろう
ならば 薄
おまえはどうか
秋 ですから
だと
季に詠まれ自足顔した抒情どもめ
髑髏の目でも突き刺しておれ
なぜだ
洪水でもない日照りでもない不漁でもない
臭い息吐くほおずき目のオロチも朽ち果て幾千年
それでも なにか
人柱にしなきゃおさまらんものがあるのか
そこのそこのそこにへばりついている
コケ
きさま なにかもの言え
・ ・・・・・ ・・・・・・・ ・・・・・
来たんだ 来たんだ 来たんだオレは
娘 娘の泣く声が満ちている
怒ォーン ォオーン
ン? 何か光るものあり
魔人の頭上を 一際 照らしたかと思うと
背後にほとりと 降り立つものがあった
魔神がふりむくと 娘の泣く声がはたと止んだ
足下に亀を従え
柔和に羽を腰にたたみ うつむく白鶴
頂には鋭い一角を成し 青き光を発していた
(なつかしい
ひびわれ ひびけ魔神)
金属の羽をひろげ
瞑目する一角鶴(と亀)は去った
オレは
知らん
魔神のまなこから
塩の珠ほろほろこぼれ こぼれつづけている
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