法と月光を 踏み分けて
岩と星 兕(けもの)たちの市に
人買いはやってくる
クローバーの群落ごとに
あるいは早くも 兕の背に揺れて
まだ誰も触れていない児は
もぐらの仔どもらの上にいびきかく
木を組んで櫓をたてて
人買いは一晩中、酒をのんだり、手で頭を掻いたりしている
あたたかい海霧(ガス)の匂いをかいだり
貨物列車のコンテナが、通ってゆく音を聴いたりしている
ここへくると、男は心がやすらぐ
あの児らも、大きくなれば人買いになると思うと
人買いは、こうして、
人買いを増やしていこうと思い眠った
やわらかい足だ
あの兕たちが
集まってくる
お母さんだ
お母さんが森から集まってくる
貨物列車が着く町で、サイレンが鳴り
町の犬どもが次々に喉を天に向けると
一人の男が、むくりと起きあがり
森から、七寸五分
開いた舞扇のように走ってくる
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