朝4時に目覚めて
眠っている夫に眠れないのというと
ううんと返事が返って来て
また寝息をたてた
起き出して
窓を開けると
湿った空気にもう蝉が鳴いている
昨日階段で踏みそうになった
死んだ蝉
まじまじみると怖かった
お腹の蛇腹
羽根の模様
何億年ものその眼に
私の姿は映らない
命のするべき懸命さを
わたしはしているだろうか
買い物袋は軽い
そう来年は還暦だ
なんとか生きのびた
生きのびただけで
本当に生きたといえるか
なにもしたくない病と
キーボードを集中して叩く
詩作とが交錯する
まだら模様の人生だ
いつだって子供がいない
昔々のおばあさんになるのだ
おばあさんのさびしさは
いとおしいと知った
二杯目のアイスコーヒーを
ごくごくと飲む
コップから雫が
千年の時のようにぽとりと落ちた
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