ブラケットを特注したことによって時間を要したが、やっとGTR用355mmサイズのローターが装着された。 クラシカルな雰囲気を残す、17インチホイール。そのホイール内に収まる限界サイズだ。 悪魔のパワーを日本の鬼が止める。
例えば、ジュラシックパークのこのクルマ。 ジャングルを走り回っている雰囲気をかもし出している。 ボディのサイズと車高の上げ具合、タイヤの径や幅がリアリティのある範囲内で 絶妙に仕上げられている。ガラスを持たない車体は少々大げさだが、この形には魅力を感じる。 ヤレた味付けがいいバランス感覚だ。 ここまで考えているから、映画を観る人の目にも違和感なく映るのだ。ベースになった車両は、1世代前のJEEP(YJ)であろう。 こんなの作ってくれる人いないかな。
【Vette】 こんなことを思い出した。 東京の世田谷から大阪の十三に引っ越した頃。 まだ、バブルの末期だった。 僕は付き合いの長いアメ車屋のオヤジに、Chevy? NOVAを依頼した。 60年代の2ドアセダン。 ナロード・デフに改造されたドラッグ・レースカーだ。 むろん、日本の法規にあわせて改良し、車検を取得するつもりだった。 ナロード・デフとは、竹輪のような幅広のタイヤを履くために、後輪の軸を短く改造した車のことだ。 もちろん、簡単な改造ではない。 サスペンションは作り直し。 後席はタイヤハウスで奪われてしまうのだ。 「古風な2ドアセダンのボディはそのままに、400mを10秒で走りきる」そんな想像をしながら1ヶ月ほど経過したある日。 「zakiさん、いや〜実はいいマシンがあって」 持ってきたのは、雑誌のグラビア。 スーパーチャージャー付きの派手なコルベットが載っていた。 「これ、どうですか?」 「こんなの買えないですよ」 「買えるようにしますよ!」 「あああぁぁぁ〜〜@@」 そして、Chevy? NOVAには、いまだに触れたこともない。
850 CFM Demon carburetorの周辺。 エンジンルームを飾り付けているわけではない。 全てが、機能的な理由から仕上げられている。 配線や配管の取り回しで、メカの腕もわかる。 むやみに、ステンレス・メッシュ・ホースを使えばいいのではない。 シリコンがいい場合もある。 コネクタの角度、溶接の仕上がりetc・・・実は僕にはアートに見える。 素晴らしいギターの音色。 泣かせるストーリー。 香り高いコーヒー。 心臓を止めかねない絵画。 それらと何も変わりはない。 他人が到達しようとしても、到達し得ないもの。 それは、やはりアートではないのだろうか? これは、担当メカが作り出したアート。
1969年のVetteの小さなボンネットに、9400ccの心臓を移植したのだ。 いろいろなものに、無理があってもしかたない。 前回、製作したブレーキは、7インチに小型化せざるを得なかったブレーキ・ブースターの問題が露になった。 今回は薄型のパーツを使用し、9インチを確保した。 薄型と言っても、ZZ572の純正バルブ・カバーとの干渉を避けることには程遠い。 できるだけ小型のバルブカバーを、機能的に改造、そして干渉部分は大胆にカットした。 これでも、内部のローラー・ロッカーが高速で動いたとしても、ぎりぎり問題はない。1969年生まれの彼女。 今度は、君を確実に止めてみせる。
フロントにはGTR用の355mmローターを用意した。キャリパーは6POT。 現物合わせにより、ぎりぎり使用可能なサイズを選び出したのだ。 C3の時代のオフセットは、現代のマシンと比べて大きいので、キャリパーをかわすことができたのだ。 リアにはスープラ用の4POTを使用する。現在の、フロント8POT、リア6POTに比べると大げさではないが、実力重視の選択だ。
僕の所有するコルベットは、確実にドリーム・マシーンへと近づいている。 バイクは・・・? 写真上のバイクは、SUZUKIのバンバン200がベースになっているが、ノーマルの部品はフレームとエンジン位しか残っていないだろう。 写真は、僕の所有するバンバンと全く同じ仕様のモノ。 カッコはいいが、最高ではない。下は、ディスカバリー・チャンネルでおなじみの、世界中で人気を誇るチョッパービルダー「オレンジ・カウンティ・チョッパーズ(OCC)」の作品。 OCCの作品は、顧客の職業、趣味、嗜好を取り入れ、全くのワンオフで作成される。 顧客は、有名スポーツ選手、芸能人・・・etc。日本では、「改造車=ろくでもない連中」という図式だが、こちらは成功者の証。 OCCの作品はチャリティーの景品になったりもする人気ぶりなのだ。その気になれば、もちろん日本でも合法的に乗ることができる。 本物の不良になるためには、まず成功というハードルを超えなくてはならない。 僕はまだまだ「ぬるい」な。 がんばらねば・・・。