172クラスのセスナであっても、計器はたくさん付いている。 でも、僕のレベルで重要なのは4つくらいだ。 上段中央の青色の姿勢制御器。 その左高度計。 その下昇降計。 上から2段目左の旋回傾斜計。 普段見慣れないのは、旋回傾斜系。 これは、旋回時の機体のバンク角が適正かどうかがわかるものだ。 適正でなければ、機はスライドして降下する事になる。 今は計器に頼るしかないが、慣れれば感覚的に判断できるものだろう。
海軍アブラ基地のあるアブラ港を眺めながら、オロテ岬を通過する。 南の島らしく、低い高度の雲の塊がいくつも通過する。 機体が雲に入らぬように高度を維持する。 旋回時時には、操縦桿でエルロンを動かすだけでは機体がスライドするので、垂直翼にあるラダーをペダルで操作する。 操縦桿は軽く動くので、力が入り過ぎないように指で操作することにした。
グアムには、セスナ機を体験操縦させてくれるサービスがある。 体験操縦といっても、離陸から着陸までのスロットルとフラップの操作以外の全てをやらせてもらえる。 正式なログブックに僕の飛行記録を付ける事も可能なのだ。 C172はC206と共に、スカイダイビングで使用していたなじみのある機体だ。 ただし、何十回と離陸を経験してはいるものの、着陸を経験したことはほとんどない。 パラシュートを背負い、上空から飛び降りていたのだから当然だ。 ともかく、今日はC172を操縦することにした。 簡単なナビゲーションを確認したら、次は計器類の見方と、ペダルと操縦桿の操作方法の説明を受けた。 15分ほどで座学は終了。 さあ、エンジン始動だ。