治療の影響でもの忘れが起きる?
May
13
ケモ・ブレイン
または
ブレイン・フォグ(頭にもやがかかったように感じる)
ともいわれる、治療の後に記憶力や注意力の低下を感じる方が少なくありません。
《薬剤師の橋本さんからの話題提供》
・程度や期間も人それぞれで、原因もはっきりしていない
・治療をしていなくても、起こることがある
・お薬など治療そのもののダメージも考えらるが
そもそもがんという診断があったことやそれに伴った生活の変化によるPTSG(心的外傷後ストレス障害)だいう考えもある
個人的には仕事を休んだり、外出の機会が減ったり、個室に隔離されていたり多少なりとも社会から隔離される経験も大きいのではないかと感じています。
今日ご参加の方もそれぞれにお心当たりがあり…
・買い物に行く時はメモ必須
・昨日なにしてたっけ?
・以前は40分くらい集中できていたのに10分くらいしか持たない
・テレビの内容が入ってこない
・新聞や本などの内容が入ってこない
・早口の店員さんにの言っていることが理解できない
・私ってこんなにできなかったっけ??
・「年齢的なもの」本当にそれだけ?
などなど。
そして、それぞれに工夫もされていました。
・書くと頭に残りやすい
・でも書くだけじゃだめだから、スマホのリマインダーも使う
・無理しないようにしすぎると、活動が減る一方なので、楽しいことも見つける
・簡単な日記をつけて記憶を整理
・家計簿もあえて書いて計算
・ヘルプマークを携帯(体調が悪いと一層頭が回らない)
がん経験者は一見すると配慮を必要としているように見られないので、ヘルプマークを提示しておくと、調子が悪いのかもなあと配慮が得られることがありそうです。
調子の悪い時にバスや電車で優先席に安心して座っていられる
とか
しんどくなった時に電車に乗るのを手伝ってくれた
という体験談もありました。
がんを経験する前の自分とは少し違う感覚の中で、つい楽しみや活動の機会をあきらめてしまうということもあるかもしれません。
身近な人には「ゆっくり話してほしい」などしてほしい配慮を具体的に伝えたり、ヘルプマークのようなシグナルを時と場合によって活用するのも、小さな一歩につながるかもしれませんね。
おくすりカフェも参加者さんの療養の知恵をシェアできる、こころづよい時間です。
来月は「痛いのだけは嫌なんです」ということで帯状疱疹を話題提供に、またみなさんとあれこれとお話ししたいと思います。
《参考》
ヘルプマークについて
聖路加国際病院が作成したケモブレインについての冊子