グリーン車
Oct
24
さらに数人の客が乗車してきた。満席である。
その乗客の中に、杖をついた老人がいた。老人は立っていることが苦痛の様子であった。恐らく夕方のラッシュを避ける目的で、グリーン車を利用する気持ちなったのであろう。
老人の側では、中年のサラリーマンとおぼしき四人が、座席を向かい合わせにしてビール片手に談笑していた。
私はその光景を見かねて、私の席より五メートルほど離れている老人に側に歩みより、私の席を、その杖をついていた老人に譲った。
老人「ご親切に有り難うございます」と礼をいった。
私はその言葉を背に、飲みかけの缶ビールとおつまみと鞄を持って、サラリーマングルーブの側を通りすぎる。
そのとき、その四人の視線を何となく意識したが、その車両を通り抜け、乗車口の扉の前で立った姿勢でビールを飲んだ。
私は、その席を譲った老人に、私が立ったままビールを飲む姿を見られたくなかったのである。。
そのビールの味は、ひときわ美味であった。
Posted at 2008-10-24 18:18
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Posted at 2008-10-24 18:30
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Posted at 2008-10-24 19:26
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Posted at 2008-10-25 11:09
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