朝ドラ「おかえりモネ」~納得がいくまで支えてあげたい~
Aug
30
今は、百音(清原果耶)の幼馴染、亮(永瀬廉)が、
津波で妻を亡くした父新次(浅野忠信)が立ち直れないことで
苦しんでいることが描かれています。
妻を亡くしてからずっと酒浸りで暴れることが多かった新次でしたが、
妻の実母から「死亡届」を出してほしいと話があって、
余計に心乱れているのです。
この「死亡届」を出すか出さないか。
家族の苦しむ姿を見ていて、
私は87歳の親友千代さんを思い出しました。
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千代さんは、私の地域で満蒙開拓団として
満州に渡った子ども時代の話をしてくれる「語り部」です。
千代さんのお父さんは、満州で「根こそぎ召集」され、
兵隊になったあと、消息不明となりました。
終戦後、日本に帰ると死亡宣告を出すように
再三役場から連絡があったそうです。
でも、ご家族はなかなか受け入れられません。
お葬式を出すことに決めたのは10年経ってからでした。
お葬式を出した後も、
千代さんは「父はどこかで生き延びているかもしれない」と
中国を訪れるたびに「尋ね人」のチラシを配ったそうです。
お母さんは、再婚もせず独りで子どもたちを育てあげ、
70歳を過ぎて亡くなりました。
お母さんが亡くなって、3回忌だったか7回忌のとき、
役場からお父さんの遺書が出てきたから
取りに来るように言われました。
遺書には、「子どもたちを頼む、再婚してくれ。」
と言ったことが書かれていたそうです。
お母さんが亡くなってから届いた遺書。
弟さんは、本当に腹が立って腹が立って、
見たことがないくらい怒っていたそうです。
「今でもね、〇〇町には役場に残っている遺書があるみたい。
どこに届けていいか、もうわからないって。
何とかご縁のある身内に届けてあげてほしいのになぁ。」
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久しぶりに声が聞きたくなって、千代さんのスマホにかけました。
朝ドラの話をすると、
「そうだよなぁ。いろんな災害や事故なんかで、
私たちと同じ思いをしている人がいるんだなぁと思う。」
行方知れずの家族の死。
簡単に受け入れることはできません。
納得がいくまで、支えてあげたいと思いました。
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