改めて性能について記します。
LANケーブルの性能として「速度が早い」との要求が一番だと思いますが、この「速度」
についての説明です。
理屈を言うようですが、電子の移動速度は同じであるため、信号の早い遅いはありません。
当然ですが、LANケーブルには信号を増幅する機能はありません、ただ通過させるだけです。
しかし、クライントは「速い」を求めます。
この速いは、実は損失が少ない事を指します
伝送回路(LANケーブルのこと)で、一番重要な性能は、如何に損失を少なくするかです。
電力伝送も信号伝送もこれは同じですが、電力伝送はエネルギー(質量)の移動で
あるため、通過時の抵抗を減らす等で対応します、この抵抗が熱損を生み、エネルギー
ロスになるからです。
信号伝送は、エネルギー伝送ではありませんが、この抵抗も損失になります。
信号伝送での損失、特にLANケーブルでは「雑音」での妨害が一番大きいのです。
この雑音、外部からではなく、内部つまり「身内同士」の干渉から生まれます。
メタルLANケーブルは現在99.99%がツイストペアで構成されていますが、この形状は
様々な問題がありますが、加工が簡単、絶対コストが安いなどのメリットが大きいため
採用されています。
それでは、この雑音についての解説です。
近年の電話はすべてデジタル化され、アナログ時代の「混線」を体験することは出来なく
なりました。
この「混線」は、アナログ電話ではよく発生しました、電話中に耳をすますと、小さな
音で他の通話が聞こえるのです、これを通信用語では「漏話」といいます。
英語ではCrossTalkです。
この漏話は、言ってみれば雑音です、人間なら無視する事が出来ますが、伝送回路では
簡単に無視出来ません、一定以上の大きさとなると、本来の通信の邪魔になってきます。
これは人混みでの会話と同じで、周囲の雑音が大きいと、会話の妨げとなり、きき直し
・繰り返しが必要となります。
実は、LANでも同じ事になります。雑音が大きい場合には、「よく聞き取れない」ため
再度送ってくれ。こんな仕組みが導入されています、これにより同じ信号量でも、雑音
の有無によって伝送時間が変化することになります。
これが実質的には「速度」の変化となります。良い性能のケーブルは、この「雑音制御」
が良く出来ている事なんです。
LANケーブルテスターは、この雑音制御のレベルを様々な方法で試験し、データ化して
います。安価な「導通」のみと高額なテスターの差は、この「雑音測定」にあるのです。
「つづく」
わかお かずまさ
VegaSystems
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