MMF(マルチモードファイバー)の損失測定方法について解説します。
MMFの損失測定は、**挿入損失(Insertion Loss, IL)や反射損失(Return Loss, RL
)**を測定することで行われ、主に以下の3つの方法が用いられます。
1️⃣ 光パワーメータと光源を用いた測定
1️⃣ 光パワーメータと光源を用いた測定
《特徴》 最も一般的でシンプルな測定方法。<br> 《必要な機器》
光源(LEDやVCSELなど、850nmや1300nmの波長を使用)
光パワーメータ
リファレンスケーブル(標準的な基準ケーブル)
光パワーメータ
リファレンスケーブル(標準的な基準ケーブル)
《手順》
リファレンス設定
光源と光パワーメータをリファレンスケーブルで直接接続し、基準となるパワー値を
光源と光パワーメータをリファレンスケーブルで直接接続し、基準となるパワー値を
記録します(これが「0dB」となります)。
測定
測定対象のMMFケーブルを、リファレンスケーブルの代わりに挿入します。
光パワーメータに表示される値が、ケーブルの挿入損失(IL)です。
測定対象のMMFケーブルを、リファレンスケーブルの代わりに挿入します。
光パワーメータに表示される値が、ケーブルの挿入損失(IL)です。
《メリット》 簡単で低コスト、現場測定でも活用可能。
《デメリット》 短いファイバーでは誤差が大きい場合がある。
2️⃣ OTDR(光パルス試験器)を用いた測定
《デメリット》 短いファイバーでは誤差が大きい場合がある。
2️⃣ OTDR(光パルス試験器)を用いた測定
《特徴》 ファイバー全体の損失分布を可視化し、接続点の損失も特定できる。
《必要な機器》
OTDR(光時間領域反射計)
《手順》
OTDRの接続
OTDRを測定対象のMMFの片側に接続します。
もう一方の端は、ダミーロードファイバーを取り付けます(これにより端面の反射が
OTDRを測定対象のMMFの片側に接続します。
もう一方の端は、ダミーロードファイバーを取り付けます(これにより端面の反射が
軽減されます)。
測定の実施
OTDRでパルス光をファイバー内に送信し、反射や散乱光を検出します。
測定後、OTDRの画面にファイバーの損失分布が表示され、挿入損失や反射損失が測定
OTDRでパルス光をファイバー内に送信し、反射や散乱光を検出します。
測定後、OTDRの画面にファイバーの損失分布が表示され、挿入損失や反射損失が測定
されます。
《メリット》 ケーブル内のどこに問題があるかが特定可能(断線、異常な曲げ、接続不良
など)。
《デメリット》 機器が高価で、操作に技術が必要。
3️⃣ VNA(ベクトルネットワークアナライザ)を用いた測定
《デメリット》 機器が高価で、操作に技術が必要。
3️⃣ VNA(ベクトルネットワークアナライザ)を用いた測定
《特徴》 通常、高周波伝送の評価に使われる手法。
《必要な機器》
《必要な機器》
ベクトルネットワークアナライザ(VNA)
専用の測定アダプター
専用の測定アダプター
《手順》
VNAのキャリブレーション
VNAのキャリブレーションを行い、基準のSパラメータ(S21、S11など)を設定しま
VNAのキャリブレーションを行い、基準のSパラメータ(S21、S11など)を設定しま
す。
測定対象の接続
測定対象のファイバーケーブルをVNAに接続し、伝送パスの損失を測定します。
測定対象のファイバーケーブルをVNAに接続し、伝送パスの損失を測定します。
測定の実施
VNAの測定結果から、ファイバーの伝送損失を求めます。
VNAの測定結果から、ファイバーの伝送損失を求めます。
《メリット》 高速信号(10G、40G、100G)の損失評価が可能。
《デメリット》 測定が複雑で、ファイバー専用ではないため、特別なアダプターが必要。
🔍 測定波長について
《デメリット》 測定が複雑で、ファイバー専用ではないため、特別なアダプターが必要。
🔍 測定波長について
MMFの測定では、主に850nmと1300nmの波長が使われます。これは、MMFの設計がこの2つの波長に最適化されているためです。
📋 まとめ
方法 測定可能な損失 メリット デメリット
光源+光パワーメータ 挿入損失(IL) 安価・簡単 誤差が出る場合がある
OTDR 挿入損失・反射損失 不良箇所の特定が可能 高価・技術が必要
VNA 伝送損失(S21) 高速信号の測定が可能 高価・ファイバー専用ではない
📢 どの方法を選べばいいの?
📋 まとめ
方法 測定可能な損失 メリット デメリット
光源+光パワーメータ 挿入損失(IL) 安価・簡単 誤差が出る場合がある
OTDR 挿入損失・反射損失 不良箇所の特定が可能 高価・技術が必要
VNA 伝送損失(S21) 高速信号の測定が可能 高価・ファイバー専用ではない
📢 どの方法を選べばいいの?
現場測定 ➡️ 光源+光パワーメータが基本。簡単で十分な精度が得られます。
トラブルシューティング ➡️ OTDRが有効。不良箇所の特定が可能。
高速通信の評価(10G, 40G, 100G) ➡️ VNAが必要になる場合もありますが、通常はOTDRかパワーメータで十分です。
トラブルシューティング ➡️ OTDRが有効。不良箇所の特定が可能。
高速通信の評価(10G, 40G, 100G) ➡️ VNAが必要になる場合もありますが、通常はOTDRかパワーメータで十分です。
💡 補足:正確な測定のためのポイント
リファレンスケーブルの管理:リファレンスケーブルは新品に近いものを使用。
接続端面の清掃:ホコリや汚れがあると、損失が大きくなります。
ケーブルの曲げ半径:ケーブルの曲げが損失の原因になるため、最小曲げ半径を守る必要があります。
接続端面の清掃:ホコリや汚れがあると、損失が大きくなります。
ケーブルの曲げ半径:ケーブルの曲げが損失の原因になるため、最小曲げ半径を守る必要があります。
わかお かずまさ
VegaSystems
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