円高
May
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東日本大震災発生時には日本企業がドル資産を売って円を買うということで一時76円台まで円高が進行した。3/18には腰の重い財務省が先進諸国と協調介入し80円台を回復、その後も4/1の米国雇用統計の発表が非農業部門での雇用者数が予想を上回って前月比21万人増加となったために、アメリカの景気回復は順調と4月上旬には一時的に85円に達し、秋以降は90円になるとの予測まであった。
しかし4月中旬以降はなぜか単純な円高気配となって日本が連休中の5/5には79円台まで円高が進行、それに対する野田財務大臣の発言は相変わらずの『注意深く様子を見る。』だけで口先介入もない。2008年10月に当時財務大臣に就任した菅総理が円はドルに対して95円程度が適切、と発言したのはいったいなんだったのだろう。菅さん得意の場当たりの思いつき?
第一金曜日である本日、非農業部門での雇用者数が予想を上回って前月比24万人増加した、と月例米国雇用統計が発表された。アメリカ経済はゆっくりではあるものの確実に回復していると思われている。それに対し日本は大震災の影響や電力不足などにより自動車や家電製品の販売は弱含みであり、当分は景気が低迷すると予想されている。それなのに今日のニューヨーク市場の終値は80.60円。円はずいぶんとかいかぶられているようだ。人民元をドルとリンクさせている中国が、日本の経済力を弱めるために積極的に円を買って円高誘導しているのではないか?と勘ぐりたくなる。
このような円高を放置すれば日本企業の体力はますます衰え、大企業は海外に移り、日本の雇用は減り、従って税収も減り、東北の復興は絵に描いた餅になりかねないことを憂う。