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1年5ヶ月のナナ
わがやに新しいネコ『ナナ』が来てから今日で1年になる。Seattle Humane Societyからもらいうけてきた時は2.2キロだった体重が生後13ヵ月になる今年3月に5.0キロに達し、それ以来5.0キロで安定している。この一年間、健康そのもので毎日わがやの中を走り回っている。食事も排泄もきちんとやるので手がかからないネコで、身体はもう立派な大人であるが、われわれに甘やかされて育ってきたせいか社会性が乏しく、精神的には子ネコのままのようだ。でもこれといった悪さをするわけではなく、一人遊びをしたり、デッキを訪れるハミングバードを眺めたりして、われわれを癒してくれる。
ナナを里子にした最大の理由は去年のネズミ騒動だったが、あれ以来わがやにネズミの気配はなく、ナナはネコとしての勤めはちゃんと果しているようだ。感謝、感謝。
Seattle Humane Societyから貰い受けた新しいネコ『ナナ(七)』。わがやに来た時は生後5ヶ月だったが既に3ヶ月が過ぎ8ヶ月となった。毎日元気一杯でわれわれが遊びの相手をするのが疲れるくらい。そのくせ午後8時頃になるとエネルギー切れなのかTVをみているわれわれの隣でばったりと熟睡。ナナは全体が白いが顔をよく見ると『のらくろ』に似ている。われわれが幼少の時はのらくろ上等兵という兵隊漫画に随分お世話になったことを思い出した。
わがやに来た時は2.2キロだったのが最近の計量では4.0キロ、よく食べ、よく遊び、よく寝る健康優良児だが、人間に換算すると15歳位、家の中を走り回るのも納得だ。
わがやの新しいネコ『ナナ』
今年春頃からわがやのガレージ付近にネズミが出没するようになった。わがやにネコがいなくなって1年以上経つためではないかと思い、改めて18年近くネズミからわがやを守ってくれていた花里子に感謝。
ひと月位前からキッチンシンクの下のキャビネットでネズミのフンを見かけるようになり、早速Amazonでネズミ除けスプレーを購入し散布するも効果がない。その後、われわれがテレビを見ているとネズ公が疾走してテレビの後に隠れた。大きな音を立ててネズ公を脅すと部屋の中を走り回ったがその後見失った。次なる手段としてアメリカでも有名ブランドの猫いらずを購入、キャビネットの中に仕掛けた。翌日猫いらずをかじった形跡があり、その翌日には更にかじり跡が大きくなっていたので、多分このネズ公はご昇天と思う。
ネズミ騒動の傍ら、やはりネコのネズミ除け効果は抜群と思い至り、里子を迎えるためにSeattle Humane Societyのウェブサイトで里子候補を検索すること数週間、初めの2候補は先約があったりして不成立、3番目の候補が里子に決まった。七夕の日に受け渡しが完了したので、名前はナナ(七)。生後5ヶ月なので人間で言えばまだ4、5歳のおさなご、今は結構手間がかかるがわれわれ年寄りにはボケ防止になる良き家族だ。
わがやをしばしば訪れる鹿はくまごろうにとって、洋子さんが丹精込めて育てていたばらやチューリップなどを食い荒らす歓迎されざる訪問者であることは前に述べた。
わがやのバックヤードにはカナディアンメープルがたくさんあるが、この樹は極めて生命力が強く、伐採した樹の幹から次々と新しい枝を伸ばして若葉をつけ、庭の景観を著しく害する。そのためくまごろうはカナディアンメープルの若い枝を切除するのが春の仕事になっている。また、バッターカップとよばれる黄色い目立つ花をつける多年生の雑草も繁殖力が強く、バックヤードのグラウンドカバーであるツタのカーペットを押しのける厄介者だが、この駆除も年中行事である。
一昨日の夕食時に洋子さんが窓の外に鹿が来ている、というので見ると、雄の若い鹿が一頭でバックヤードを訪れていた。はじめはツタの若葉を食べていたが、そのうちにカナディアンメープルの若葉を食べ始めた。それらを食べ尽くすと今度はバターカップの花を食べ、庭の一部分ではあるがその辺りのすべてのバターカップの花が消えた。鹿を迷惑に思っていたわれわれではあるが、この鹿は例外だ。スカベンジャーとして時々来て欲しい。そういえば以前、シアトルの公園か何かで雑草の駆除に羊を使っているのをニュースで見たことがあるが、この鹿もそれに匹敵するすぐれものだ。またの訪問を期待する。
ホバリングしながら砂糖水を飲むハミングバード
さかさまのハミングバード
わがやにはハミングバードがフィーダーに入っている濃い目の砂糖水を飲むために頻繁に訪れる。近頃のように花がたくさん咲いている時期になってもわがやのフィーダーは人気スポットだ。われわれはこのフィーダーを世話している洋子さんにあやかり、Yoko’s Caféと称している。以前使っていたフィーダーは止まり木がないため、ハミングバードはホバリングしながら長いくちばしをフィーダーの穴に差し込んで砂糖水を飲んでいた。
今使っているフィーダーには飲み口の周りにある花びら模様に止まり木があり、怠惰なハミングバードはこの止まり木に止まって羽根を休めてのんびりと砂糖水を飲む。
先日、何気なくフィーダーを見るとハミングバードが上下さかさまになって止まり木に止まっているのに気付いた。この鳥はさかさまの状態で数分間ぶらさがっていた。よく見ると、くちばしをわずかに開いて長い舌を動かしている。具合が悪いのか、と思ってこの鳥に近付くと身の危険を察知したのか逃げていった。
数日後、一羽のハミングバードが止まり木に止まってじっとしていたが、仲間の鳥が飛んできてこのハミングバードに接触すると、まるで鉄棒で遊んでいるかのようにぐるりと180度回転し、さかさまになった。人間でも逆立ち健康法をやっている人もいるが、このハミングバードも胃下垂か何かで逆立ち健康法をやっていたのだろうか。この日以来、逆立ちハミングバードを見ることはない。
ねこはよく眠る。わがやの花里子は一日のうち、少なくとも20時間は眠っている。眠っていないのは、餌を食べるか、外の景色を眺めるか、おもちゃで遊ぶか、甘えるか、用を足す時くらいだ。近くに座っていると思ったら、いつの間にかうとうとと眠っている。変な格好をして寝ていても、われわれと違い寝違えたり肩を凝らせたりはしない。寝起きざまに思い切り背伸びをすれば、それですべておしまいだ。ねこは夜行性というがそれは野生の猫で、花里子のようにデッキ以外は屋外で行動しないねこは、夜中はわれわれのベッドの上で頭を抱えて熟睡している。洋子さんは時々ねむれない、と不満を漏らすが、いまだかつてねこの不眠症なんて聞いたことがない。ねこは眠ることに関しては天才だ。
ねこは狭いところが好きだ。身を守るのに適していると考えているのだろう。病院に連れてゆく時は嫌がるくせに、普段はリビングルームにおいてあるキャリーケースの中に勝手に入って丸くなって熟睡している。陽だまりがあれば、真夏の暑い日でもその真ん中で気持ち良さそうに眠っている。
われわれがテレビを見ている時、そばに置いてある花里子用の寝箱に入って顔を上げていたのに、眠気が我慢出来なくなって頭がこっくりと下を向いた。まるで謝っているように見えたので、起こさないようそっとシャッターを押したが、この状態でしばらくの間眠っていた。
わがやには相変わらず鹿が訪れているが、多くの場合暗くなってからの訪問のため、朝、洋子さんが育てている花が食べられていて初めて歓迎されざる訪問者に気付くことが多い。チューリップはここ数年全滅、ユリは囲いをつけて何とか守っているが、シャクヤクやあじさいには見向きもしない。これらは鹿にとって有毒のようだ。
昨日は夕方まだ明るいうちに4頭の鹿がわがやのバックヤードに現れた。これまでほとんどの場合、訪ねてくるのは母鹿と小鹿の家族であったが、今回は珍しいことに角のある雄鹿が3頭と角のない小鹿が1頭だった。鹿は成長すると雄は雄同士、雌は雌同士で集団を作ると聞くが、これは雄の集団なのだろう。バックヤードではメープルやツタの若葉を貪っている。食事が一段落すると、バックヤードを運動場に見立てて追いかけっこをして走り回る。やはり雄鹿なので行動が活発だ。大切にしているそめいよしのや日本のもみじが被害を受けないか、見ていてはらはらする。
9時過ぎ、周囲がかなり暗くなってきた時には彼らはもういなかった。ねぐらに帰ったのだろう。鹿は見ていると可愛らしいが、食害を引き起こすので、ハミングバードやリスやアライグマのようには歓迎出来ない。
わがやのバックグラウンドに再び鹿が訪れた。今回は母鹿と小鹿二頭の家族連れで、小鹿はその大きさから今年生まれたのだろう。母親のそばで草や木の若葉を食べている。
鹿は泳いでレイク・ワシントンを渡りマーサーアイランドにやってくると思われるが、小鹿たちを見ていると、彼らが一緒に500メートル以上ある距離を泳いできたとは思えない。とすると彼らはマーサーアイランド生まれなのだろうか。
この島には鹿を襲うような動物はいない。また食べ物となる草や木の若葉、チューリップやバラなど季節ごとの花、家庭菜園で育てている野菜類などは豊富である。冬でもツタがそこらじゅうにあり、雪もめったに降らないので年間を通して餌には困らないのだろう。2008年11月にくまごろうが初めてこの島で鹿を見て以来、鹿の生息数は増え続けていることだろう。
昨日夕食後に何気なくバックヤードを見ていると、アライグマが歩いているのを見つけた。まだ小さく子供と思われるが、わがやに顔を見せるのは久し振りだ。バックヤードを横切って、メープルの切り株に座り、くまごろうの方をじっと見つめている。
アライグマはマーサーアイランドのシンボルともいえる動物で島内にたくさん生息しているが、夜行性のため自宅周辺に現れない限りあまり見かけることはない。以前住んでいた島の南にある住宅には近くに巣穴があったのかアライグマが一家揃ってよく訪れていたが、今住んでいる家ではあまり見かけない。
アライグマは雑食性で小動物、魚やザリガニなどの水性動物、昆虫、農作物などを食べるが、島の南に住んでいた頃は子供たちが小さかったこともあって、卵を与えると小さな穴を開けて殻はそのままにして中身を上手に飲むのをガラス越しに眺めたものだ。
昨日はアライグマがバックヤードにいるあいだ、木の上でカラスがうるさく鳴いていた。アライグマは木登りも上手なので、林の中にあるカラスの巣が襲われないよう、仲間に警告をしていたのかもしれない。アライグマも鹿と同様その姿は可愛いのだが、人をあまり恐れずゴミ箱をあさってゴミを散らかしたり、ドアが開いていれば室内に侵入するなど悪さをすることもあるので、ちょっぴり迷惑な訪問者でもある。
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