窓の話13『耐風圧性能』
Jun
15
1枚のガラスの耐風圧強度はガラスが厚いほど高く、また同じ厚みでは面積が小さいほど高い。またガラスに作用する風圧は風速の2乗に比例し、更に地上からの高さが高いほど大きくなる。日本の建築基準法では室戸台風の最大風速63メートル/秒を基準とし、地上からの高さ15メートルにおける許容風圧は186 Kg/m2となっている。また許容荷重=許容風圧xガラス面積の関係があり、ある試験データによれば厚さ3ミリのフロートガラスの許容荷重は180 Kgなので0.97 m2以下の面積のガラスが許容範囲となり、これより大きい面積のガラスを使用するにはより厚いガラスを使用しなければならない。因みに前述の試験データでは3ミリのペアガラスの許容荷重は230 Kgなので、このペアガラスは1.23 m2の面積まで使用出来る。
窓やパティオドアの耐風圧強度はガラスの強度だけでなく、窓枠・ドア枠の強度、ガラスの窓・ドアへの取付け法、更に窓枠・ドア枠の躯体への取付け法にもよる。窓の耐風圧強度は日本ではJISの、またアメリカでは窓・ドア製造者協会(WDMA)の基準がある。これらの基準は単位面積あたりの風圧で示されているが、よりわかりやすい風速で示すと下記のようになる。
JIS等級 風速 WDMA等級
S-1 36.0m/秒
42.2m/秒 R-15
S-2 45.3m/秒
48.9m/秒 R-20
S-3 51.1m/秒
54.1m/秒 R-25
S-4 56.4m/秒
60.6m/秒 R-30
S-5 63.1m/秒
64.4m/秒 R-35
S-6 68.4m/秒
68.9m/秒 R-40
76.9m/秒 R-50
S-7 77.3m/秒
84.4m/秒 R-60
WDMA等級はハリケーン地域向けのために更にR-80まで規定されている。日本では一般住宅用窓の耐風圧強度は1階ではS-1、2階ではS-2、3階ではS-3として設計されているが、アメリカの高性能窓メーカーの場合はR-40、すなわちJISのS-6以上の性能が標準となっている。
余談になるが、ハリケーン地域であるフロリダ州マイアミ・デード郡の窓・ドアの基準は厳しいことで有名だが、ハリケーンの際の飛来物規準についてはインパクトテストと呼ばれ、重さ約5キロのツーバイフォーの角材を時速56キロで発射してガラスにぶつけても破損しないことが求められる。このテストは http://www.youtube.com/watch?v=TL_j8sp8Vx8 で見ることが出来る。
またアメリカの高級木製窓メーカーでは144m2の住宅でのマグニチュード6.7の地震に耐える窓・パティオドアのテストを http://www.youtube.com/watch?v=q21pMDf6Wwo に示している。
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Posted at 2011-06-16 22:51
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Posted at 2011-06-17 19:26
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