9月初めにアメリカの太陽光発電パネルメーカーSolyndra社が会社更生法を申請したことをブログに記したが、本日付のNew York Times電子版ではこの倒産により、オバマ政権が当惑しているという記事が掲載されている。
オバマ政権は景気浮揚策および雇用対策としてエネルギー開発に対する連邦政府による融資保証プランを発表し、その一環としてエネルギー省が再生可能エネルギー事業に対する融資保証プログラムを推進してきた。このプログラムに対し143社より融資保証の申し込みがあったが、エネルギー省はその中の16社に計画書の提出を求めた。Solyndra社は最終的に太陽光発電パネルメーカーとしては最高の5.35億ドルの融資保証を受けることが出来、カリフォルニアに新工場を建設した。昨年5月には多忙なスケジュールを調整してオバマ大統領が新工場を訪問し、同社の経営者や従業員を前に『Solyndra社のような会社がわれわれのより輝かしい未来をつくるのだ。』という演説までしている。
Solyndra社は2008年以来ワシントンDCでロビイストを使い、連邦政府の融資保証を受けるべく色々と画策してきたらしい。6つのコンサルタント会社に総額180万ドルを払ってホワイトハウス、連邦議会、エネルギー省の要人などに売込みを図ってきたようだ。通常では実現出来ないオバマ大統領の同社訪問はその成果の一つといえる。今になってエネルギー省は融資保証を受ける際に必須の経営内容の審査なども十分に実施しておらず、杜撰な審査だったことが明らかになってきている。
Solyndra社の経営不振は太陽光発電コンポーネントの価格が世界規模で急速に下落したため、との理由付けがなされているが、そのような経営環境でも生き延びている企業もある。来年大統領選挙を迎えるアメリカでは、Solyndra社の会社更生法申請による焦げ付いた多額の政府保証が共和党のオバマ民主党政権批判の新たな材料になるだろう。
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