オリオン座、左上の赤い星がベテルギウス(NASAより借用)
科学ニュースをあまり取上げないNHKが珍しく昨日朝7時からの『おはようにっぽん』でオリオン座の一等星であるベテルギウスの超新星爆発のことを報道していた。
くまごろうは2012年2月29日付ブログでベテルギウスの超新星爆発について書いたが、当時ベテルギウスは間もなく超新星爆発を起こすのではないか、と期待されたもののあれから8年、何ごとも起こらずに過ぎた。
前述のブログの繰り返しになるが、ベテルギウスは冬の星座であるオリオン座のオリオンの右肩にある一等星で、晴れた夜なら三ツ星のやや左上にあるから簡単に見つけることが出来る。ベテルギウスは恒星としては地球に非常に近く640光年の距離にあって、太陽の約20倍の質量を持ち、大きさは半径が太陽の1000倍もあるが、誕生してから既に1000万年経過し、現在は膨張して表面温度が下がり赤色巨星の状態になっている。そのためいずれ超新星爆発を起こし、ブラックホールとなるか、中性子星になるという。
今ベテルギウスが話題となっているのはその明るさが非常に暗くなっているためだ。もともとベテルギウスは変光星で明るさが変化する恒星だが、アメリカの研究者によれば昨年10月頃から急速に暗くなってきており、このような変化は異例で何かが起こるのではないか、と思われているためだ。
最近の宇宙物理学の研究によれば、もしもベテルギウスが超新星爆発を起こすと表面温度の急上昇に伴い色が赤色から青色に変化する。そして星が急速に輝き出し、数時間後には月と同等の明るさとなるが、見える星の面積が小さいのでぎらぎらと輝き2~3ヶ月は日中でも眩しく見える。輝きは7日後がピークでその後膨張による温度低下のために色が変化し輝きが減少してゆく。400日もすると昼間には見えなくなり、4年後には夜でも見えなくなる。
天の川銀河内での超新星爆発1054年と1604年にもあったが、前者は地球から7200光年、後者は13000光年の距離にあり、ベテルギウスはこれらに較べ640光年とはるかに近い。1604年の超新星爆発でも木星位の輝きが約1年続いたという記録があるが、ベテルギウスの超新星爆発が起これば昼間でも輝いて見えるだろう。
ベテルギウスの変光周期は425日と6年の二つあり、今はその両者が重なって最も暗くなっている可能性もある。その場合は1~2週間後に再び明るくなり、超新星爆発は当分お預けになるだろう。ベテルギウスは100万年以内に超新星爆発すると予想されており、今起こってもおかしくないが、10万年後かもしれない。でもくまごろうは是非この天体イベントを見たいと念願している。
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