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くまごろうのひとりごと

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メキシコ湾における原油流出事故

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メキシコ湾での海底油田掘削施設が爆発して原油の流出が始まったのは4月20日で、既に8週間が経過している。この間、この油井の採掘権を持つBPは原油流出を停止するための色々な手段を講じたが、何しろ水面下約1,500メートルの水中からの流出であり、いくつかの方法はうまく行かず、現在はLower Marine Riser Package Capと呼ばれる装置を設置して、最新の情報によれば1日あたり約5,000バーレルの原油を回収しているとのことだ。回収されない原油がどれ位あるかは不明で、現在、油井からの流出量測定装置を海中ロボットを使って設置しているそうだ。BPのホームページによれば根本的な解決策としての救助井の掘削は5月2日に開始され、6月7日現在3,949メートルに達しているが、完成は8月の見込みであり、原油流出被害は更に増大するだろう。

連日テレビニュースでは油にまみれた水鳥や、それらの鳥を救うために家庭用中性洗剤で洗浄している人たちのことを報道しているが、われわれの眼にふれることのない魚や亀などの他の海洋動物や、彼らの食料源である海草への被害も甚大なのだろう。この事故による環境への悪影響ははかりしれず、影響が消失するには10年以上の歳月がかかるだろう。更にメキシコ湾はこれからの季節にはハリケーンが襲来する地域であり、関係者の悩みは増す一方だ。

メキシコ湾原油流出事故がオバマ大統領に与える政治的影響も少なくなく、今日は4回目の現地訪問を行い、明後日にはBP首脳をホワイトハウスに呼んで流出阻止対策や補償について協議し、また独立した委員会に補償のための拠出金の出資を求めるようだ。拠出金の額は民主党関係者によれば200億ドル(1.8兆円)とも言われている。今回の事故の遠因にBPマネジメントによる安全対策軽視があったとのことではあるが、その結果が膨大な補償とイメージダウンだ。BPの2009年のアニュアルリポートによれば利益は167.5億ドル(約1.5兆円)、ビッグビジネスであるBPとしても拠出金は大変な額である。

このような状況の中、一部の団体はBPボイコット運動を展開しているが、アメリカに10,000以上あるBPのガソリンスタンドはBP直営店ではなくほとんどが家族経営であり、短絡的なボイコットはこれらの経営者にとっては気の毒なことである。

アメリカは外国企業に起因する社会問題には厳しい国だ。規模はBPほどではないが今年初めのトヨタの場合も上院公聴会で豊田社長が厳しく追及されたことは記憶に新しい。これらの出来事は確かに被害を受けるアメリカ国民にとって重要な問題ではあるが、外国企業叩きは連邦議会議員の選挙民向けキャンペーンのにおいも否定出来ない。

それにしてもBPの事故についてイギリス政府がアメリカ政府との対話を始めたが、トヨタ問題の時、日本政府はアメリカ政府に何かしたという話を聞かない。ビジネスは自己責任であることは論を待たないが、大規模な問題について日本政府は自国企業を守る気概があるのだろうか。 
#政治 #歴史 #環境 #社会 #経済

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KUMA
Commented by KUMA
Posted at 2010-06-15 00:17

海底油田の事故は実に厄介ですね、その昔チャンバーを使っての海底作業の経験がありますが、人が「素手」で作業出来る水深などはたかが知れた深さですね。

今回の事故は、今後の原油採掘にどのような影響がでるのでしょうか、それにしても英国政府は選挙のゴタゴタがあるにも関わらず、ちゃんと動いているようです。

日本政府はその点、関与せずの姿勢のようですが、それには企業ももともと当てにしていない部分があるようです、高率な法人税を毟りとっている割りには何もしてくれません。

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くまごろう
Commented by くまごろう
Posted at 2010-06-15 22:47

オバマ政権は就任後にオフショアでの石油採掘を認める方向を打ち出しましたが、今回の事故により当分は許可しないと予想されています。


ビジネスが自己責任で事業を遂行することは当然ですが、一朝ことが起きた時は日本政府は国民(法人も国民と考えられます。)の財産と生命を守るために、考えられるあらゆる手段を尽して救済すべき、と思います。もっともトヨタがアメリカでいじめられていた時、鳩山政権はオバマ政権に後足で砂をかけるようなことばかりやっていたので、たとえ鳩山総理がアクションを起しても相手にされなかったとも思えます。

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