Search Bloguru posts

くまごろうのひとりごと

https://en.bloguru.com/kumagoro

窓の話8『断熱性その2』

thread
窓やパティオドアの断熱性が家計や環境保全にどのような影響を及ぼすか具体的に見ていこう。気象条件や国土交通省の基準が地域によって異なるため、断熱性による影響が顕著な北海道や東北北部3県ではなく、ここでは岐阜市について検討する。岐阜の気象条件は日本では標準的とはいえないかもしれないが、寒冷地や沖縄などを除く東京、大阪、名古屋などにおける典型的な条件に近いと思う。

岐阜県といっても平均気温は場所によって異なるが、暖房が必要な季節の気象庁による岐阜市における1日平均気温の月平均値の2000年より2006年までの7年間の平均は下記の如くである。1月4.3度、2月5.3度、3月8.3度、4月14.7度、11月12.7度、12月6.7度。

また断熱性能の比較を行うために、幅600ミリ、高さ1,200ミリのケースメント(縦すべり出し窓)15本と、幅1,800ミリ、高さ2,000ミリのスライドドア3本が取付けられているモデル住宅を仮定する。。また、室内の温度は暖房を行っている期間は一定で摂氏20度とし、暖房期間は11月から4月までと仮定する。

暖房を行っている期間の窓・パティオドアからの熱損失は下記のように算出される。

Q = K x A x (Tin – Tout) x H
Q: 熱損失 KWH
K: 窓・ドアの熱貫流率 KW/m2-deg. K
A: 窓・ドアの面積 m2
Tin: 室内温度 deg. K
Tout: 屋外温度 deg. K
H: 時間 hours

岐阜県が対象となる地域IVにおける国土交通省が定める次世代省エネルギー住宅における開口部の熱貫流率は4.65 watt/m2-deg.Kとなっているので、この数字を使って1月の熱損失量を計算すると、1,173KWHとなる。このようにして暖房期間の11月より4月までの月ごとの熱損失量を計算すると、年間熱損失量は4,944KWHとなる。在来の1枚ガラスアルミサッシュ(熱貫流率=6 watt/m2-deg.K)ではこのモデル住宅における窓・ドアからの熱損失は6,379 KWHになるため、1,435 KWHの省エネルギーが達成されたことになる。暖房をすべて電気でまかなったと仮定し、電気代が20円/KWHとすると、暖房のための光熱費が28,700円節約出来たことになる。また今流行の二酸化炭素排出量については、『Web時代の環境家計簿 http://www.carbonfree.jp/200/env_gifu.html 』によれば、岐阜県における電力1 KWHは二酸化炭素0.45 Kgに相当するので、645.75Kg削減したことになる。

これに対しアメリカの木製窓メーカーであるコルビー社の木製窓の場合、熱還流率は1.70 watt/m2-deg.Kであるため年間熱損失量は1,808KWHとなり、地域IVにおける国土交通省の定める次世代省エネルギー基準住宅よりも更に年間あたり62,720円の電気代の節約となる。更に二酸化炭素排出量は次世代省エネルギー基準住宅よりも1,411Kg削減される。

日本に比べアメリカは地球温暖化に熱心でないと思われているかもしれないが、窓に関してはアメリカの方が進んでいると言えるかもしれない。
#PC #テクノロジー #ネット

People Who Wowed This Post

  • If you are a bloguru member, please login.
    Login
  • If you are not a bloguru member, you may request a free account here:
    Request Account
KUMA
Commented by KUMA
Posted at 2010-12-09 18:39

私の所在地が岐阜市に近いとろです。
マンションの9Fのため、風当りが強く、熱ロスが多そうです・・・・
ブラインド+厚手のカーテンなどで防御しますと、多少温度が保てますが、視界が・・・・

People Who Wowed This Post

くまごろう
Commented by くまごろう
Posted at 2010-12-10 22:39

ブラインドや厚手のカーテンは窓の断熱に効果があるように感じられますが、実際にはそれほどではありません。

まず、外気温が0℃の時、1枚ガラスの窓では屋外の風速やガラス厚みにもよりますが、一般的な住宅の場合ガラス中心の室内表面温度は約5℃であり、既に室内に冷熱源が存在しています。

またブラインドやカーテンと窓との隙間ではコールドドラフトと呼ばれる上から下に向かう対流が起こって、冷気が窓から床に向かって流れます。そして室内に頭寒足温とは逆の状況を作り出します。

また、輻射伝熱による放熱は電磁波によるものであり、これを防ぐにはよく磨かれた黄銅、金などの熱放射率の低い素材の遮蔽物を使わないと効果がなく、ブラインドやカーテンは気休めと思います。

People Who Wowed This Post

KUMA
Commented by KUMA
Posted at 2010-12-11 00:57

ありがとうございます。
結露のみに目を奪われておりました、結露はカーテン等でどうにか減少が出来るのですが、それは空気接触面の問題ですね。
足元が冷える原因がわかりました、温度計は足元には無いのでわかりませんでした。

People Who Wowed This Post

Commenting on this post has been disabled.
くまごろう
Commented by くまごろう
Posted at 2010-12-11 01:04

暖房器具を窓の近くに置くとコールドドラフトは防げるのですが、窓からの熱損失は変わりません。

次回(1月)にはこの季節の話題である窓の結露について議論する予定です。

People Who Wowed This Post

Happy
Sad
Surprise