カメラによる交通違反取締り(続き)
Feb
27
多くの市では制限速度によらず黄色の注意信号が点灯する時間を3秒にセットしているそうだが、Red Light Cameraを設置した信号で意識的に黄色信号の点灯時間を短くし、罰金を多く徴収していた事例が報告されている。これは税収減に悩む市が罰金による収入を増やすため、および一部の市はRed Light Cameraの運営を私企業に委託していることによる収益を増やすために行われていたようだ。
黄色の注意信号を見たドライバーは、それを見た位置によって停止するか通り過ぎるかを瞬時に判断しなければならない。後続車を危険な状態にしないで停止するためには、平らか坂か、乾燥しているか濡れているかなどの道路の状況や速度によりある程度の距離が必要だが、どの位置で黄色信号を見たら停止せずに速やかに交差点を通過すべきかについては、都市交通の技術者や警察は知っているが市民には知らされていない。このような状況でRed Light Cameraにより一律に信号無視の罰金を科するのは公正でない、という議論がある。
更に犯罪を企てていない一般市民のわずかな時間での判断ミスに対して罰金を科すことは市民権の侵害で憲法に違反する、という議論もあり、既にニュージャージー州やユタ州などではRed Light Cameraの設置を州法で禁止している。アリゾナ州では2010年にRed Light Cameraの得失を検討の結果、廃止することを決定している。この決定のひとつの理由は、Red Light Cameraを設置したことによる安全性の向上が確認出来なかったためである。
カメラによる交通取締りは一見近代的かつ合理的な取締りに見えるが、少し掘り下げてみると色々と問題があるようだ。