『海うそ』梨木香歩・著
岩波書店 (2014/4/10)
---ただただ無心に漏れ来る光の林よ---
色即是空 空即是色
久しぶりにこころに響いた本です。
梨木さんらしい本でした。
最近、本は買わないことにして、図書館で借りることにしています。
物を増やさない生活・・・と言いつつも、確実に物は増えていますが。
7月27日に図書館に予約して、昨日、ようやく手元に届きました。
新刊は、長~~~く待たなければ、読むことができない
文化の香らない市に住んでいます。
【内容】
昭和の初め、人文地理学の研究者・秋野は南九州の離島へ赴く。
かつて修験道の霊山があったその島は、豊かで変化に富んだ自然の中に、
無残にかき消された人びとの祈りの跡を抱いて、秋野を惹きつけた。
地図に残された「海うそ」という言葉に導かれ、
彼は島をひたすら歩き、調査に打ち込む――。
平家の落人伝説も絡んで・・・。
50年後、秋野は不思議な縁で、再び島を訪れる。
愛する人びとの死、アジア・太平洋戦争の破局、
経済大国化の下で進む強引な開発……。
いくつもの喪失を超えて、秋野が辿り着いた真実とは・・・。
この本は、手元に置いてよい本でした。
それにしても・・・
残して伝えたいと思うことが伝わらずに風化して行く。
それが歴史の闇なのでしょう。
日常の小さなことでもそれはよく感じることです。
そのことが悲しいと思っていましたが、
この本を読むと、風化も然り・・・と思えてきました。
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