『ゴサインタン 神の座』→『聖域』→『弥勒』
Aug
31
5月に暗い部屋を片付け時に部屋から埃まみれの文庫本が出てきました。
あまりの埃に捨てようと思ていたのですが、
読みたい本がないので、埃を拭って読みました。
なんともムカつく本でした。
最後は、はぁそうなの?と思いました。
◇内容◇
豪農の跡取り結木輝和はネパール人のカルバナ(勝手に淑子と名付ける)と結婚したが、両親が相次いで死に、妻の奇異な行動で全財産を失う。
怒り、悲しみ、恐れ、絶望…揺れ動き、さまよいながら、失踪した妻を探して辿り着いた場所は神の山ゴサインタンの麓だった。
現代人の根源にある、魂の再生を力強く描く
『ゴサインタン 神の座』は、真ん中で、三シリーズになっているらしいので、
図書館で前後の単行本を借りました。
本は、単行本で読まなくては、読んだ気になれません。
シリーズといっても、続き物ではありません。
『西域』1994.4.20
◇内容◇
異動先の編集部で、偶然目にした未発表の原稿『聖域』。
なぜ途中で終わっているのか。なぜこんなに力のある作家が世に出ていないのか。
過去を辿っていくと、この原稿に関わったものは、みな破滅の道へと進んでいる。
口々に警告されるが、でも続きを読みたい、結末を知りたい。
憑かれたように実藤は、失踪した作家、水名川泉を追い求め東北の地へ。
『弥勒』1998.9.20
◇内容◇
新聞社の永岡は、妻の櫛がヒマラヤの国パスキムの破壊された仏像の一部と気づく。
5年前入国した首都カターで見た美麗な仏像彫刻だった。
美術品持ち出し禁止の国で政変のため寺院が崩壊したと聞いて、密入国を試みる。
僧侶達は虐殺され都市は壊滅していた。彼も革命軍に捕らえられ…。
旧習を打破し、完全平等の理想郷を求める人間達のもたらす惨劇。
本文より「死は稲妻のようにいつ訪れるとも知れず、人の命もバター灯明が風に吹き消されるように、いつ絶えるか知れない。
死に至る理由は夜空の星の数よりも多く、生きるためのよすがとなるものは、真昼に見える星の数ほどしかない。
太陽が昇り、月が沈み、太陽が沈み、月が昇るように、ただ生と死の輪は巡る」
どちらも面白かったです。
読みながら、自身の境地と様々な精神世界を巡りました。
【本】