● BCA土曜学校のコラムVol.36●
枕草子
中髙国語2の授業で、自分流「枕草子」を書きました。清少納言の「枕草子」の形を借りながら、自然や身の周りの人・物・事を見つめ、イメージ豊かに表現する学習です。
教科書には「枕草子」の有名な一段が紹介されています。
作者の清少納言は、中宮定子に仕えた才気あふれる女性です。「枕草子」は高い美意識が反映されている作品として、日本の三代随筆の一つにあげられています。
「春はあけぼの」の段で描かれている曙の空の色、夏の闇夜、秋の夕日・風の音や虫の声、冬の寒い朝など全てが特別な場所の特別な光景ではなく、今を生きる私たちも見ることができる風景です。
普段の生活の中で忘れがちになっている風景かも知れませんが、私たちの身近にも、清少納言と同じ空があり、吹かれた風が吹いています。ベルビューで見る朝焼けの素晴らしさは、清少納言が見た空以上の美しさかもしれません。
生徒さんに、日々の暮らしの中で季節を感じる景色や自然を見つけ、それぞれの感じ方で表現してもらいました。
どの作品も豊かな感性を感じる素敵な「私の枕草子」に仕上がりました。
一つだけ紹介しますね。
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○春はジョギング。
友達と話しながら春の風を受けて走る。山路も駆けて登る。心地よい汗が流れて涼しくなるあの瞬間がたまらない。
○夏は海。
輝く青い海。足の裏から伝わる熱い砂の感触。暑くて気持ちよい風。遠くから聞こえる海鳥の声を聞きながら飲む冷たい水の美味しさは最高の夏の味。
○秋は落ち葉。
赤や黄色、オレンジに染まった美しい葉。秋の風が葉を揺らし、そしてヒューッと飛ばす瞬間。落ち葉の上を歩くと聞こえるバリバリという音。
○冬は雪。
朝起きて見る白い雪。めったに降らない雪の日は、妹と外で遊ぶ。冷たい風も気にせず雪だるまを作る。妹の笑顔、そして母の作るあったかい飲み物に気持ちがほっこりする。
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● BCA土曜学校のコラムVol.35●
端午の節句
5月5日のBCA土曜学校は、音楽の時間に「背くらべ(柱の傷は おととしの五月五日の 背くらべ ちまきたべたべ 兄さんが 計ってくれた 背のたけ)」の歌を歌いました。給食の時間は食育が行われ、新芽が出るまで葉が落ちないことから子孫繁栄の意味を持つ「柏餅」と、端午の節句とともに中国かわ渡ってきた魔除けの意味をもつ「ちまき」のお話を聞きました。
現在の日本では、1月7日の「人日」、3月3日の「上巳」、5月5日の「端午」、7月7日の「七夕」、9月9日の「重陽」の5つ節句が年中行事となっています。5月5日の「端午の節句」は男の子の成長を願ってお祝いする日です。
「節句」は、季節の節目にその季節の草花などを神様に供え、神様に供えたものを家族でいただいて邪気を払うという行事です。「端午の節句」は奈良時代から続いており、「菖蒲の節句」とも言われます。強い香りで厄を祓う菖蒲を軒につるしたり菖蒲湯に入ったりすることで無病息災を願いました。鎌倉時代に武家政治となってから、武士のあいだで尚武(しょうぶ=武をたっとぶ)の気風が強く、「菖蒲」と「尚武」をかけて、端午の節句を尚武の節日として盛んに祝うようになったそうです。江戸時代の徳川幕府の重要な式日が5月5日と定められ、大名が江戸城に集まり、将軍にお祝いをするようになったりして、時代と共に男の子の誕生と成長を祝う日となってきました。
鎧や兜を飾る風習も武家社会から生まれた風習で、今は鎧兜が身体を守るものという意味が重視され、事故や病気から大切な子どもを守ってくれるようにという願いも込めて飾ります。
鯉のぼりは、江戸時代に町人階層から生まれた節句飾りなのだそうです。鯉は池や沼で生きるる生命力の強い魚です。その鯉が急流や竜門の滝をさかのぼり、竜になって天にのぼるという中国の伝説にちなみ、こどもの立身出世を願うために鯉のぼりを飾るようになりました。
年中行事も、由来を知るとその日がある意味が理解できますね。
カークランドで鯉のぼりを見つけました。美しい湖を背景に元気に泳いでいる鯉のぼりを見て、アメリカの子ども達の健やかな成長を願いました。
幼稚部では子供の日の工作で兜や、こいのぼりを作りました。
ハサミを使う練習では、真剣に慎重にこいのぼりの外枠を切っている姿が印象的でした。
幼稚部では様々な工作に取り組み、表現する楽しみを養います。
“どんな色のこいのぼりがいいかな?”、
“お母さんがみどりが好きだから、緑のこいのぼりにしよう!”などと、
お友達との会話も弾みながら、とてもきれいなこいのぼりができあがっていました。
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今週の土曜学校小学部三年生の国語では「きつつきの商売」の学習に取り組みました。
「おとや」という音を売るお店を営む、きつつきの話です。
この単元では音読の楽しさを知り、表現の多様さを学びます。
静寂な森の雰囲気や、ぶなの葉に落ちる雨の音、森の奥深くから聞こえる雨の音、森全体に響く音と、
情景を目に浮かべながら、とても上手に音読できました。
国語力、読解力、そして集中力の基礎として、音読は毎日の積み重ねが大切です。
いつもより少し大きな声で、テンポやリズムをつけて読むことにも是非挑戦しましょう。
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● BCA土曜学校のコラムVol.34●
おもてなし
お茶の授業がスタートし、1回目は2年生と6年生が指導を受けました。今年度は、放課後の茶道クラブも開催されています。指導を受ける様子を見て、BCAを会場にして行われた裏千家淡交会の初釜での「おもてなし」にあふれた裏千家淡交会の皆様の姿がうかんできました。
「おもてなし」という言葉は動詞「もてなす」の丁寧語で、とりなし、たしなみ、ふるまい、挙動、態度、待遇 馳走などという意味です。
聖徳太子の言葉「和をもって尊しとなす」の「もってなす」が「もてなす」の語源だと言われています。
「なす」に強調の「もて」をつなげ「お」をつけて名詞となった言葉で、接待に関して用いられるのは中世以降になってからなのだそうです。
現在は、茶の湯から始まった大切な日本文化としての言葉だと言われています。
「モノを持って成し遂げる」からきているお客様に対応するふるまいと、「表裏無し」つまり、表裏のない「心」で思いやる気持ちを持ってお客様をお迎えするという二つの意味を合わせたものという説が一般的なようです。
この「モノ」とは、単に「物」だけではなく人の「気持ち」も含まれ、後の「成し遂げる」に続いています。お客様に合わせて、いろいろなことに心を配り最高のもてなしをすることが「おもてなし」です。
ですから、お茶会の亭主の心配りはこまやかなところまでいき届かせ、「おもてなし」を受ける側も、亭主の所作からその配慮に対して感謝の思いを持つ。このような心遣いや、それらの所作を見逃さずに相手の心を受け止めるところに、日本人が大事にしてきた伝統の美しさが出てくるのですね。
今年度は、各クラス4回程度の授業となります。
お茶を頂く手順を覚えるだけではなく、相手を思いやる気持ちを持って対応することを勉強しているのだと思うと、お茶の授業がもっと大切な時間に思えるのではないでしょうか。楽しみですね。
中高部の授業は選択科目制です。
生徒達は自分に必要な科目を選び、スケジュールに合わせて出席します。
先月まで小学部に居た見慣れた顔が、中高部で一生懸命授業を聞いてる姿は、逞しく見えます。
中高部の授業のスケジュールはこちらをどうぞ。
小学部5年生の算数では体積ついての学習で、1立方メートルの大きさをひもで作りました。
生徒達が何人入れるのかを試し、この上の空間にもあと一人入れるね。
と、体積に含まれる空間を実際に体を使って考えます。
その後、その中に1立方センチメートルだと横に100個、縦に100個高さとして上に100個並び、
1000000個の1立方センチメートルが入るということ理解し、すごい数だねー驚きの声が上がっていました。
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● BCA土曜学校のコラムVol.33●
笑顔
4月14日はBCA土曜学校の入学式・入園式が行われました。
2018年度の入学生、入園生、そして進級した皆さん、おめでとうございます。
入学式は、アメリカはもちろん、カナダ、イギリス、フランス、ロシア、中国など9月スタートの国が多い中、日本は4月に行われていますが、実は日本も9月に行われていた時代があったのです。
江戸時代の寺子屋、藩校、私塾はいつでも入学できました。
明治時代の初めになると、西洋の教育が導入され9月入学が主流となりました。その後、国の会計年度が4月から3月になったことにあわせて小学校は1900年、中学校は1901年から入学式は4月になりました。
大正時代になり、中学校卒業後の進学率が高くなった1921年には大学も4月に入学式が行われるようになり現在に至っています。
どの国でも新年度は、新たな環境で成長できる一年にという気持ちで迎えます。
BCA土曜学校の皆さんも、期待に胸をはずませこの日を迎えたことでしょう。
年度はじめの学校は「笑顔」であふれていました。
「笑」という文字は、神様に仕えて神のおつげを人に伝える巫女(みこ)が両手をあげ、身をくねらせて舞い踊る姿を表しているといわれています。
「竹かんむり」はふりかざしている両手を表し、その下の「夭」は人の体で、「若さ」や「しなやかに」曲がるものを意味します。
巫女(みこ)が、神様に訴えようとするとき笑いながら踊り、神様の気持ちをやわらげ、楽しませようとする様子が「笑」。そう思って漢字を見ると、楽しそうに踊る若い人が見えてくるようですね。
「笑顔」になると心が明るくなり、幸せな気持ちになります。
BCAで学ぶ「若い」皆さんが、様々なことに「しなやかに」対応しながら、勉強がわかって「笑顔」になり、友達と仲良くして「笑顔」になり、先生と話して「笑顔」になる。
そんな一年にになることを願っています。
ご入園、ご入学、そしてご進級おめでとうございます。
保護者の方に連れられ、嬉しそうに校内へ入る新入生、
進級した生徒の頼もしい姿、
それぞれがキラキラと輝く入園・入学、始業式でした。
BCA2の始業式では、小学部の先生の紹介がありました。
自分の担任の先生だけでなく、今までお世話になった先生の姿を確認し、
笑顔になる生徒達。
少人数制のクラスのBCA土曜学校ではアットホームな雰囲気の中、勉強に励みます。
新しい一年がクラスメイトや先生との思い出いっぱいのかけがえのない一年となりますように。
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● BCA土曜学校のコラムVol.32●
卒業式
BCA土曜学校では、3月24日に卒園式・卒業式が行われました。
ご卒園・ご卒業、心からおめでとうございます。
年長さんと6年生の晴れやかな姿には、今までの一人ひとりの頑張りが表れていました。
正装して式に臨んだ卒園生・卒業生は、担任の呼名に元気よく返事し、誇らしい顔で校長先生から証書を受け取りました。実に礼儀正しいさわやかな振る舞いでした。
「卒業式」は「卒業証書授与式」が略された言葉で、教育課程を修了したことを認め、そのお祝いをする式のことです。
「卒」は、終わる・終える・済む・完了する。
「業」は行為を意味し、過去に成したことの結果を表しています。
「卒業式」は、1872年の学制の施行から試験終了者に卒業証書を授与したことに起源を持ち、明治10年ごろから、現在のような儀式として定着したそうです。
小学校と中学校と高等学校、そして中等教育学校と特別支援学校で行われる儀式が「卒業式」です。
幼稚園は「卒園式」とよばれ「卒園証書」が授与されます。
日本の卒業式は、学校教育法施行規則によって定められた学校行事で、「学校生活に変化や折り目を付け、厳粛で清新な気分を味わい、新しい生活の展開への動機付けとなる活動」と示されています。
年度の節目となる3月に行われる重要な儀式的行事です。
儀式的行事の意義の中に、「国民としての自覚を高めるとともに広く国際理解や人間愛の精神の滋養に役立つこと」とあります。国旗掲揚や国歌斉唱が行われるのもここからきているのだそうです。
BCAの卒業式では、壇上に日本とアメリカの国旗が仲良く掲げられ、式歌として両国の国歌が歌われました。
「The Star-Spangled Banner」と「君が代」の音の響きに、儀式の意義である「国際理解や人間愛の精神」が重なり感動しました。
アメリカで日本語を学ぶ生徒さん達が、国家や国民を象徴するものとして歌った二つの国歌が、格別に心に響いた「卒業式」でした。
先日BCA土曜学校では、幼稚部卒園式、小学部卒業式、そして終業式を滞りなく終えることが出来ました。
元気いっぱいの歌声で送りだされた卒業生、在校生は次の学年への希望にわくわくしている様子。
一年間で一回り、二回りも成長した生徒達の後ろ姿は頼もしい限りです。
保護者の皆様、一年間あたたかいご支援を誠にありがとうございました。
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