Sep
4,
2021
宮田穣著「組織に効くコミュニケーション」を読んで(Day1)「断片化するコミュニケーション」
今日からまたまた新しいシリーズ。
お気に入りの本や、これは皆さんと共有したいという書籍を読み進めて行きます。
そして私の「独断と偏見」でキーポイントを列挙していく、名付けて「書籍読み進めブログ」。
今回読み進める著書は、
宮田穣著「組織に効くコミュニケーション」
です。
宮田氏はサラリーマンから社会人大学院を経て、学者になられた方です。
ご専門は、コーポレートコミュニケーション、企業広報、行政広報、組織内コミュニケーション論など、とのこと。
私もサラリーマンを早めに卒業して大学院へ進んだので、何となく共感するものがあったこと、そして、本のタイトルが「組織に効くコミュニケーション」。読まずにおられず思わず購入、通読。
著者が、この著書で追究しようとしている大きな題目は「心地よいコミュニケーションとは何か」また「相手との心地よい距離とは何か」。
そしてその答えの一つが「等身大のコミュニケーション」としています。この点については、読み進めていくうちに必ずや出くわすものと思います。
さて今日、Day1のテーマは、
断片化するコミュニケーション
章立て
1.情報の断片化
2.断片化されるもの、されないもの
3.失われていく非言語コミュニケーション
1.情報の断片化
(1)テレビの登場によるマス・メディアの普及に加えて、その後の1990年代中頃から始まる「インターネット」の拡大が、情報の洪水、そして断片化を生んだ。
(2)一人一人の個人が情報を取り扱うことが容易になり、個人が発信・受信する情報が量・質とともに拡大、いわゆる情報爆発が起こった。
(3)2つの情報の「断片化」
①個人であれ組織であれ、送り手の元を離れてしまえば、その情報はコピーされ、加工され、編集され、様々な形に変えられ、様々な受け手に届けられる。
②送り手の出す情報そのものが最初から「断片化」している。
例えば、LINEやTwitter、Instagramでやり取りされる言葉やフレーズ、コメントなどは、情報を「断片化」させることで出来るだけリアルタイムでスピーディーに情報を届けるという特質を持つ。
2.断片化されるもの、されないもの
(1)逆に「断片化」されないものは、言葉に関わるものとしては書籍や手紙、会話や対話。いづれもアナログ的なもの。
(2)一方、言葉に関わらないものでは、身振りや手振り、表情やしぐさ、場の雰囲気など。
(3)会話や対話は、身振りや手振り、場の雰囲気などと切っては切れないもの。つまり「断片化」されないものは、全体と不可分で存在し、一定のまとまりがどこまでも伴っているものだと言える。
(4)従って、現代社会は「断片化」されないものを、どんどん失い続けていくことになってしまう。特に、言葉を使わない(非言語)コミュニケーションが失われてしまうことを意味している。
(5)そしてこの「断片化」を情報の受け手が理解していくためには、全体を埋めていく必要がある、ということ。
3.失われていく非言語コミュニケーション
(1)非言語コミュニケーションは、相手との対面でいる時に多く行われるため、一緒にいる機会があまりない相手とは成立しずらいコミュニケーションである。
(2)また非言語コミュニケーションは「経験的」に身に付け、磨かれるものである。
(3)インターネットでのコミュニケーションが日常化すると、結果的に対面のコミュニケーション機会が減少する。
同時に、非言語コミュニケーションを体得する機会も減少してしまう。
(4)情報の断片化はある意味で膨大な情報を何とか取り扱おうとする工夫である一方、物事の理解の「単純化」を進めてしまう。
(5)日常生活すべてにわたって「単純化」された思考に基づく、紋切り型の言葉が拡散する社会。
スマホで頻繁に交わされる「断片化」な言葉に、安らぎや心地よさは入り込むことが出来るのだろうか?
ではまた明日!
「働くあなたを元気にする」コーチ、砂村よしお
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