Oct
31,
2021
会社数字を活かす:経理部門から見える会社・社会とは?(Day7)「財務経理パーソンの落とし穴」
今日も昨日に引き続き、私の前職である「財務経理職」という仕事を振り返りながら、異なる視点や考え方をお伝えして行きます。
全体は、下記のような流れで書き綴っています。
(仮)全体の流れ・章立て
第一部:財務・経理部門の役割
第二部:財務経理パーソンの「ありたい姿」
第三部:経理財務部門とどう付き合うか?(活用方法)
そして今日は昨日の続き、
第一部:財務・経理部門の役割
章立て
1.財務諸表:経理部門の成果物(完了)
2.財務・経理部門は何をしているのか?(完了)
3.財務経理パーソンの視点(本日)
「財務経理パーソンの視点」
今日の章立て
1.大切にしている価値観(完了)
2.仕事を通じて何が見えるか?(完了)
3.財務経理パーソンの落とし穴(本日)
「財務経理パーソンの落とし穴」
今日の章立て
1.数字への拘りが仇になる
2.理論だけでは人は動かない
3.経理部門の論理に閉じこもり、上の視座を失いがち
1.数字への拘りが仇になる
(1)数字で語る、数字を活用して事業活動を見ることができるのは、ある意味で経理パーソンの特権。
しかし、余りに数字に拘ることで「木を見て森を見ず」のような、狭い視点に陥ってしまうことがある。
(2)数字のつじつま合わせに多くの時間を使ったり、つじつまが合わない状況にやる気を失ってしまう部員もいる。
学生時代の算数・数学の試験で、割り切れない解答に出くわした際に「この答えは間違っているに違いない」と思ってしまうことがある。しかし日常扱う数字、特に生き物である会社の数字は、全て「割り切れない」数字ばかりである。
2.理論だけでは人は動かない
(1)理路整然として、数字で説明が効く、ということはビジネス上では利点ではある。しかし、数字の収まりが良いことと、それで人が動くかどうかは別である。
(2)「理論的に正しい」=「人が納得して動く」と勘違いしてしまうことがある。
これは私自身の苦い経験でもある。人は論理ではむしろ動かないことの方が多い、というのが私の実感値。
(3)数字を使うのは飽くまで、一つの「手段」と捉えた方が健全。数字が先行しすぎると事業展開にブレーキとなってしまうことがある。
米国企業で昔一時期、「MBA社員が会社をダメにする」と批判された時期があった。大げさな表現ではあるものの、一部真実を語っているようにも感じる。
3.経理部門の論理に閉じこもり、上の視座を失いがち
(1)経理部門内では使う言語も発想も似たり寄ったりなので、部員間のコミュニケーションは比較的楽である。
しかし、経理部門から外へ一歩出れば、専門用語や概念が通じない、感覚が異なる人がいるのが当たり前。経理部門は、実は一種独特な人間の集まり、と捉える方が正しいと感じる。
(2)従って会社数字や利益の源泉を理解しているからと言って、傲慢になってはいけない。会社を運営するための一つの「機能」であるくらいに考えておく方が健全だ。
(3)経理という世界に余りにどっぷり浸ってしまうと、外の世界が見えなくなってしまう。そして、より上位の視座を持つ機会を失ってしまうリスクもある。
ではまた明日!
「働くあなたを元気にする」プロコーチ、砂村よしおです。
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