シュンラン(春蘭)ラン科(Orchidaceae)日本固有種
別名;ホクロ, ジジババ, オジーオバー
学 名; Cymbidium goeringii (Rchb. f.) Rchb. f.
自然分布;北海道・本州・四国・九州・琉球/朝鮮半島・中国・台湾。
地下に太い根が何本ものび、菌根と呼ばれる。なかに菌糸(細い糸のようなもの)がある。
これで栄養のやりとりをして成長する。葉は濃い緑色で固く、ふちに小さな鋸歯がある。
花は薄緑色で、真ん中にある唇弁は白く紫色の斑点がたくさんある(このことで別名ホクロという)。
またの名をジジババ、オジーオバーとも云われる。
花を横から見ると、真ん中から雄しべと雌しべがひとつになったずい柱がつき出ている。
ずい柱のすぐ下に唇弁があり、ずい柱はおじいさん、唇弁はおばあさん!!
で、2人が抱き合っている姿に見える。おじいさんの頭に髪はなく、背中が曲がっているように見える。
**研究者ノート(筑波大・遊川知久)**
里山の春を告げるシュンラン。セミのような、ちょっと変わったライフスタイルをご存じでしょうか。
種子は発芽しても、葉を出しません。地下に潜ったまま、イモムシのような節のある茎を伸ばし続けます。
光のない地下で育つのは、生育に必要な栄養を、茎に入り込んだ菌からもらっているからです。
そして数年後、満を持して初めての葉を地上に広げるのです。
日本全国、そして朝鮮半島、中国、台湾の、明るい落葉広葉樹林やアカマツ林に見られます。
* * *
観賞用として庭植え、鉢植えで利用される。
つぼみは生食やてんぷら、酢の物などに用いられている。
また古くから、おめでたいときの蘭茶(蘭花の塩漬けを入れた)として用いられている。
春蘭と似た花にズベンラン(豆弁蘭)がある。 ラン科 学名:Cymbidium goeringii
シュンランより小さな花で肉厚。中国雲南省の高原が原産。中国では「翠緑」とも呼ばれている。
里山で春蘭を見つけた時、ひょっとしてズベンランかと思ったが!?!未だ野ではみたことがない。
4月8日「泉の森」(4月9日誌)
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