《襍草・/・古往今来187》赤飯(アカマンマ)

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イヌタデ(犬蓼) タデ科(Polygonaceae)
学名:Polygonum longisetum De Bruyn

子供の頃、野山で遊んでいてこの花をとって自宅に持ち帰った記憶がある。
家の玄関に、母が徳利に一輪さしてくれた。この色って複雑な色に感じたものだ。
青年時代に、初冠雪を見る頃に谷川岳、一ノ倉沢や幽ノ沢の取っ付き地点でも見た。
下界の野原でみるイヌタデと比べると花穂が短い。寒さ、自然界の摂理か!!
「犬・・」と付く植物名、役に立たないという意味らしいが、植物に失礼って感じる。
アカマンマ(赤飯)という呼び名、花を前にするとぴったり。楚々としている。
里山で出会った、目の前の直立した姿は、凛々しくさえ見えた。


10月5日誌「大和市泉の森」


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子どもの頃は、道端や空き地で普通に見かけましたが、最近は、見かけることが極々少なくなりました。
蓼藍と同じタデ科なので、この葉でも青く発色するのでしょうか?
染めてみたいです。
Posted at 2014-10-13 18:30

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こんにちは、moonさん^^)。

台風一過、久し振りの青空になりましたが、御地は被害ありませんでしたか??

わたくし事ですが、今月は悲喜こもごもで雑用に紛しており、ブログルも思うように書き込めていない。
気儘に雑分を載せております。いつもコメントありがとう。
歳のせいか、偏屈で^^)訪ねて頂けるだけで感謝です。

扨、
染め物に精進されておられる。
同じタデ科の赤マンマですが・・・?
藍色素を含有する植物は世界中に沢山ありますが、染色に実用される品種は指で数える程に由。
イヌタデは、藍の色素を含んでいません。	
野草のイヌタデは、藍色素を含まない(Not contain Indigo)と資料にあります。 
藍タデは栽培されて受け継がれ、姿はイヌタデによく似ていますが、葉に藍の色素成分を多く含んでいます。 
在来種ではなく、織りや染めの技術とともに飛鳥時代に大陸から渡来したといわれています。

草木染めって申すからには染料としてイヌタデを使ってみたら驚くような色合いになるかもしれません??
染められたあかつきにはぜひとも紹介頂きたくお願い申し上げます。
来春のイヌタデの若葉がよろしいのでしょうねm(._.)m(^з^)!

中国南部、沖縄などの藍植物
沖縄で使われるのは、現地で山原(やんばる)藍、あるいは山藍と言っている琉球藍です。 
キツネノマゴ科の半灌木植物で、タデ藍に比べて葉が少し丸みを帯びており、写真などで見ると、藍タデの一品種であるマルバアイに、やや似ています。 
 

琉球藍  (Strobilanthes Cusia)
なお、山藍と呼ばれる植物には、万葉集にも登場するヤマアイ(山藍)がありますが、これは沖縄や台湾で山藍とよばれているのとは全く別の種類で、トウダイグサ科の草本植物です。名前に藍が使われていても、藍の色素成分であるインジゴチンは含まれていません。
琉球藍は、中国では馬藍という名称で雲南や貴州の少数民族(ミャオ族)によって今も盛んに藍染めに利用され、これらの地域の主要産業に役だっています。 
その貴州の奥地に藍染めを訪れられた文芸家の大田倭(まさ)子女史は、民兵に守られている藍染めに吃驚されました。 
たとえ一枚の葉であっても、持ち帰ることはできません。あきらめていたら夜中に戸を叩く者があり、恐る恐る細めに開けると、藍の葉を一枚持った腕だけが、にゅーと差し込まれたそうです。相手は顔を見せません。民兵に知られたら逮捕されるからです。

大田女史は京都の九条藍が営まれていた村で育ち、藍に興味を持たれて藍を題材にした小説などを出版されています。 
中国の貴州から、当時としては命がけで持ち帰られた一枚の葉。その押し葉を持参されて、どういう種類の藍でしょうかと聞かれました。調べてみるとそれは琉球藍だったのです。 
亜熱帯性の植物ですから、沖縄以外の日本各地では栽培が困難ですが、メキシコから南米北部あたりまでの亜熱帯地域には、同種の藍植物が分布しているといわれます。 
 

アジア南部の藍植物
言わずと知れたインド藍です。 
マメ科の灌木で、葉に藍の色素成分を多く含み、これからとった藍は純度が高いために世界の藍市場を動かしてきました。 
藍色素の化学名であるインジゴは、インドの地名に由来しています。
インジゴの前身となるインドキシルは、植物の体内では糖分と結合した形のインジカンで存在しています。 
そのインジカンは無色ですが、糖成分が酵素の働きで離れますとインドキシルに、さらに空気の働きでインジゴへと変わります。 
栽培地のインドでは気温が高いことを利用してインド藍の葉を大量に集め、水に浸けて発酵させ、沈殿したインジゴを煉瓦状に干し固めてヨーロッパに運びました。 
ヨーロッパへ船で運ぶためのスエズ運河が、まだできていない時代のことです。

値が安くて純度の高いインド藍がヨーロッパに入ってきたために、それまでヨーロッパ各地で栽培されていた藍植物のウオード(大青)が売れなくなりました。 
ウオードで儲けていた地主や豪族達は、インド藍の輸入を阻止しようとして法律まで作りますが、とうとう負けてしまいます。 
ヨーロッパ貴族が資金的に没落する原因の一つにもなりました。

しかし、世界の染料市場を仕切っていたこのインド藍も、石炭文明のために廃棄されるコールタールの利用開発研究で、より純度の高いインジゴが廉価に合成される時代が到来するにおよび、一挙に衰退してしまいます。 
写真のインド藍は、石垣島の染織家、深石隆司氏よりいただいた種を育成したものです。 
インド藍は中米のエルサルバドルでも現在盛んに栽培されていて、天然藍に製品化されています。 
 

	
インド藍(なんばんこまつなぎ) 
Indigofera tinctoria	花盛りのウオード(ヨーロッパ大青)  
          Isatis tinctoria
Posted at 2014-10-13 23:23

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