“初見え植物2015/11”《襍草・実・/・拈華微笑50》

シロバナキツネノマゴ(白花狐の孫) キツネノマゴ科(Acanthaceae)
学名:Justicia procumbens L. var. leucantha Honda
 クロヤツシロラン(黒八代蘭) ラン科(Orchidaceaeオニノヤガラ属)
学名:Gastrodia pubilabiata Y. Sawa
果実(画像2)
マヤラン群生地での最後の花。
今年の花期は、6月下旬に始まり11月半ばで終焉。
人知れず、静かの魅せてくれた。
感謝感謝、ありがとう、と・・・その場を去った。

シロバナキツネノマゴ(白花狐の孫) ・・・!?!
白花のキツネノマゴ。身近な里山で初めて出会った。
花の色素の抜けた白花が時々咲いていることは承知している。
異変種、アルビノ個体(先天的にメラニンが欠乏する遺伝子疾患がある個体)。
遠目には、草姿はどう見てもキツネノマゴと映る。
帰宅して調べてみるとシロバナキツネノマゴ(白花狐の孫)と分かった。
キツネノゴマ名は、花が子狐の顔に似ているとか諸説ある。
普通に見えるキツネノマゴは淡紫色あるいは淡紅紫色だ。
キツネノマゴの白花を変種としてシロバナキツネノマゴと区別するとか。
通常の狐の孫は、淡紫色の花を多数つけるが、シロバナ種は花が一つしかなかった。
花が咲いた後に伸びる果実穂を狐の尾に見立て、花が小さいので「孫」が付いた!?!


 クロヤツシロラン(黒八代蘭)。
「スギ林や竹林に生える腐生植物。茎は高さ2~3cm。膜質鱗片がある。
花序は短縮し、茎頂から数個の花が束生状にでる。
花柄は長さ約2cm、果期には数倍に伸長する。花は汚紫褐色。
萼片は合着して先は3裂する。花期は9~10月。(山に咲く花)」資料より。
似た植物にアキザキヤツシロランがある。どちらの花も背が低くに地表近くで開花する。
其の花姿は、実に地味で華麗で鮮やかな洋ランとはかけ離れている。
全国分布は、千葉、神奈川、静岡、愛知、福岡と限られ、
福井、徳島、高知、宮崎、鹿児島で現状不明(環境庁. 2000)。
クロヤツシロランは腐生植物、葉緑素をもたず、腐植質の豊富な場所に生きている。
どんな菌類とどの程度の共生あるいは寄生関係にあるかは分からないが、
葉緑素をもたない以上、菌類が分解した有機物に頼った生活をしているのは確かだ。
杉林や常緑広葉樹林下で生育すると資料にあったが、見た場所は雑木林の中であった。
完熟した果実(画像2)は、23.5cmの高さがあった。
※ ※ ※ ※ ※
花期の頃(夏)は、背の高い草に隠れて確認できなかったのだろう。
来年はしっかりと探してみたい。
シロバナキツネノマゴもすぐ近くで見つけた。
この周辺(半径300m)は、面白い花が幾種類かある。今後、要探索ヶ所になった。
※ ※ ※ ※ ※

文献;
里見信生. 1979. アキザキヤツシロランの新産地. 植物地理・分類研究.105:33.
佐宗 盈. 2001. 神奈川県植物誌:ラン科:506. 神奈川県立生命の星・地球博物館.
豊国秀夫. 1988. 植物学ラテン語辞典. 至文堂.
牧野富太郎・清水藤太郎. 1939. 植物学名辞典. 春陽堂.
正宗嚴敬. 1986. 日本の自生蘭写真と図 第二集:43. 個人出版.
環境庁 編. 2000. 改訂・日本の絶滅のおそれのある野生生物 植物Ⅰ(維管束植物):403.


「大和市泉の森2015/11/07」


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