《〝合歓の木の花〟“しらかしの家・庭 '24/06/14 6月木花Ⅸ 》
暗くなると眠るネムノキ(合歓木)
日当たりを好み、生長が速い典型的な先駆種。
河原や山裾、人家の庭先などでよく見掛ける。
夕方や曇天など暗くなると葉をたたんで垂れ下がり「眠る」。
一日の中で葉が開閉したり、上下に動いたりすることを就眠運動という。
別名マッコノキ・・・この木の葉で抹香をつくったことによる。
かつて秋田では、お盆が近づくと家々でこの木を伐りとって葉を乾燥させ、
臼でついて抹香を作った。
花・・・枝先に10~20個の花が集まった頭状花序を総状につけ、
淡い紅白色の花を夕方、開花させる。
花弁は長さ7~9mmで下部が合着し、短毛がある。
雄蕊、雌蕊・・・雌雄同株。
ブラシの毛を広げたような花のほとんどは雄蕊の花糸。
毛の根元は白く毛先がピンク色で、
その先に黄色い葯(花粉を出す袋)がついている。
雌蕊は、白色の糸状で雄しべより長い。
虫を呼ぶ戦略・・・ネムノキの花には、
虫を引きつけるような目立つ花弁がない。
その代わりに長くて色鮮やかな雄蕊を沢山つけて、虫を呼ぶ。
雌蕊は白くて目立たないが、雄蕊が花粉を出す役割が終えて、
落ちる頃になると目立つようになる。
直感的に分かる独特の葉・・・小葉が対生に15~30対ほどついた、
2回偶数羽状複葉。夜になると、小葉が閉じて垂れ下がる。
その様子が、まるで眠っているようにみえるのが和名の由来。
こうした就眠運動は、マメ科の植物でよく見られる生態。
就眠運動・・・小葉柄や葉軸の基部には、
細胞内の水分を出し入れして伸縮する運動細胞がある。
夜になると、運動細胞から水分が排出されて膨圧が低下し、
向かい合う小葉同士が折りたたまれ、
葉軸も垂れ下がってオジギソウのように葉全体が閉じて下に垂れ下がる。
朝になると、再び運動細胞は吸水して膨圧が高まり、葉が開く。
痩せ地の緑化に適した樹木・・・ネムノキは、塩害に強く、痩せ地にも強い。
他のマメ科植物と同様、根には根粒菌が共生していて、
空気中の窒素を植物が利用できる形に変えて提供している。
逆に、ネムノキは根粒菌に対して光合成で生産した糖などを与えている。
また、落葉樹で、落ち葉は周りの土を肥沃にする。
故に痩せ地の緑化に適した樹木である。
秋田や山形では、古くからクロマツ、アキグミなどとともに
海岸砂防林として使われた。
なぜ葉をたたむのか・・・一つは、乾燥よけと考えられている。
葉をたたんでしまえば、葉の折り重なった部分から水分は蒸発しにくい。
昼でも気温が非常に高い日は葉を閉じていることが多い。
それは乾燥を避けたり、直射日光を避けるためだと考えられている。
もう一つの理由は、体内時計で一日のリズムを保っていると考えられる。
夜間に強いに月の光を浴びると、そのリズムが崩れてしまうから、
葉をたたんで月の光を浴びにくくしているという。
葉と花の利用・・・葉にはクエシリトリンやビタミンCを多く含み、
若芽は茹でて食用にされた。
また葉は、そのまま牛の飼料にしたため、別名ウシノモチと呼ばれている。
葉を臼でひいて抹香をつくった。
花を乾燥し、これを煎じて飲めば脚気に効くとされた。
樹皮は薬用・・・薬用植物の一つで、
樹皮を利用することから「合歓皮(ごうかんひ)」という。
7~9月に樹皮を剥ぎ取り、水洗いした後日干しする。
合歓皮の煎剤には、陣痛促進作用があることが動物実験で知られている。
民間では、煎じたものを服用して鎮痛、利尿、駆虫、強壮、健胃剤に。
打撲や腫れ物、関節リウマチには、
この煎液で患部をあらうか、湿布、浴湯料として使用する。
木材・・・加工が容易なことから、器具材や桶、屋根板に使われた。
「令和陸年(皇紀2684年)6月13日、記」
暗くなると眠るネムノキ(合歓木)
日当たりを好み、生長が速い典型的な先駆種。
河原や山裾、人家の庭先などでよく見掛ける。
夕方や曇天など暗くなると葉をたたんで垂れ下がり「眠る」。
一日の中で葉が開閉したり、上下に動いたりすることを就眠運動という。
別名マッコノキ・・・この木の葉で抹香をつくったことによる。
かつて秋田では、お盆が近づくと家々でこの木を伐りとって葉を乾燥させ、
臼でついて抹香を作った。
花・・・枝先に10~20個の花が集まった頭状花序を総状につけ、
淡い紅白色の花を夕方、開花させる。
花弁は長さ7~9mmで下部が合着し、短毛がある。
雄蕊、雌蕊・・・雌雄同株。
ブラシの毛を広げたような花のほとんどは雄蕊の花糸。
毛の根元は白く毛先がピンク色で、
その先に黄色い葯(花粉を出す袋)がついている。
雌蕊は、白色の糸状で雄しべより長い。
虫を呼ぶ戦略・・・ネムノキの花には、
虫を引きつけるような目立つ花弁がない。
その代わりに長くて色鮮やかな雄蕊を沢山つけて、虫を呼ぶ。
雌蕊は白くて目立たないが、雄蕊が花粉を出す役割が終えて、
落ちる頃になると目立つようになる。
直感的に分かる独特の葉・・・小葉が対生に15~30対ほどついた、
2回偶数羽状複葉。夜になると、小葉が閉じて垂れ下がる。
その様子が、まるで眠っているようにみえるのが和名の由来。
こうした就眠運動は、マメ科の植物でよく見られる生態。
就眠運動・・・小葉柄や葉軸の基部には、
細胞内の水分を出し入れして伸縮する運動細胞がある。
夜になると、運動細胞から水分が排出されて膨圧が低下し、
向かい合う小葉同士が折りたたまれ、
葉軸も垂れ下がってオジギソウのように葉全体が閉じて下に垂れ下がる。
朝になると、再び運動細胞は吸水して膨圧が高まり、葉が開く。
痩せ地の緑化に適した樹木・・・ネムノキは、塩害に強く、痩せ地にも強い。
他のマメ科植物と同様、根には根粒菌が共生していて、
空気中の窒素を植物が利用できる形に変えて提供している。
逆に、ネムノキは根粒菌に対して光合成で生産した糖などを与えている。
また、落葉樹で、落ち葉は周りの土を肥沃にする。
故に痩せ地の緑化に適した樹木である。
秋田や山形では、古くからクロマツ、アキグミなどとともに
海岸砂防林として使われた。
なぜ葉をたたむのか・・・一つは、乾燥よけと考えられている。
葉をたたんでしまえば、葉の折り重なった部分から水分は蒸発しにくい。
昼でも気温が非常に高い日は葉を閉じていることが多い。
それは乾燥を避けたり、直射日光を避けるためだと考えられている。
もう一つの理由は、体内時計で一日のリズムを保っていると考えられる。
夜間に強いに月の光を浴びると、そのリズムが崩れてしまうから、
葉をたたんで月の光を浴びにくくしているという。
葉と花の利用・・・葉にはクエシリトリンやビタミンCを多く含み、
若芽は茹でて食用にされた。
また葉は、そのまま牛の飼料にしたため、別名ウシノモチと呼ばれている。
葉を臼でひいて抹香をつくった。
花を乾燥し、これを煎じて飲めば脚気に効くとされた。
樹皮は薬用・・・薬用植物の一つで、
樹皮を利用することから「合歓皮(ごうかんひ)」という。
7~9月に樹皮を剥ぎ取り、水洗いした後日干しする。
合歓皮の煎剤には、陣痛促進作用があることが動物実験で知られている。
民間では、煎じたものを服用して鎮痛、利尿、駆虫、強壮、健胃剤に。
打撲や腫れ物、関節リウマチには、
この煎液で患部をあらうか、湿布、浴湯料として使用する。
木材・・・加工が容易なことから、器具材や桶、屋根板に使われた。
「令和陸年(皇紀2684年)6月13日、記」