《雅羅・/・襍懐古〝山の花Ⅴ〟❖ ’24-218 ❖》

ハクサンイチゲ(白山一華) キンポウゲ科(Ranunculaceae)
学名:Anemone narcissiflora L. subsp. nipponica (Tamura) Kadota
ハクサンイチゲ(白山一花)は、本州中部以北から東北地方に分布。
亜高山帯から高山帯の湿った草地に自生する日本固有の高山植物。
お花畑の様な群落をつくり、一面に咲き乱れる光景は実に美しい。
草丈は10~40cmで直立し、根出葉は長柄をもった3出複葉。
小葉は、其々が手のひら状に2~3回深裂し裂片の先が尖っている。
花は、一茎に1~5個つき、白い花弁の様に見えるのは萼片で花弁はない。
少し先端が尖った形状の萼片は5~7枚。
花の中央部には黄色の雄蕊、緑色の雌蕊が密集している。
「イチゲ」とは、通常は1株に1つの花をつける花のこと。
だが、イチリンソウ属の植物に多く付けられる名前、花が一輪とは限らない。

近縁種や変種として、エゾノハクサンイチゲやシコクイチゲがある。
又、北岳でしか見れないキタダケソウにも似ていると紹介されるが、
キタダケソウは花弁の先端が尖らず、窪んでいる点が違う。
北岳には萼片が緑色の「ミドリハクサンイチゲ( f. viridis )」が見れる。
《赤岳登山で見た花〝白山一華〟8月草花Ⅴ  ❖ 1962/夏 ❖ 》
赤岳から権現山・編笠山への稜線には高山植物が見えた。
頂上で早々に昼食を済ませ植物を見て回った。
しんがり(最後尾)で上がってこられた責任者のK先生。
師は、物理学校(現東京理科大学)山岳部リーダーだった方。
高山植物にも造詣深い方だった。思い出は尽きない。
ハクサンイチゲの「ハクサン」とは、石川県の白山のこと。
日本の植物研究は古くからあったようだが、
明治期の西欧文化渡来で、植物学も発展した。
高山も研究対象となり、登山の案内人のいる山で調査が始まった。
白山は江戸時代から山岳信仰の霊場として登られてきた歴史がある。
当時の植物研究家は、山岳案内人の案内により白山で多くの植物を発見。
それ故に、植物に白山の山の名を付けたものが多々ある。
白山以外でも同じ高山植物が続々と発見されたが、初見発表の花名が正式名。
又、「ゴゼン」という名の付く花も多いが、白山の御前峰のことである。
 
 
「令和陸年(皇紀2684年)8月5日、記」
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