《 北岳の羊歯 Ⅳ〝北岳連朶〟 ❖ 1970~/夏 ❖ 》
南アルプスの高山や、八ヶ岳、北海道にも自生している珍しいシダ。
キタダケデンダ;
タカネシダ(オシダ科)やトガクシシダ(イワデンダ科)、
この2種とは、極めて似通っている。慎重かつ真摯な観察が必要である。
平凡社の図鑑と山渓の図鑑のキタダケデンダの写真は、タカネシダっぽい。
かような指摘をしてるHPを拜した。まともな、勇気ある指摘でありがたい。
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高山性の夏緑性シダ。葉は長さ15 cmほど、根茎は直立状を呈する。
高山性の夏緑性シダ。葉は長さ15 cmほど、根茎は直立状を呈する。
一見して、同属イワデンダの趣きがあるのだが、
羽片は中~浅裂、葉柄の関節は、葉柄の半分からやや上の所にある。
基部に鱗片があり、根茎、葉柄基部の鱗片は、卵状披針形から披針形。
高山帯の岩の割れ目などに自生しているが、見つけるのが大変だった。
岩場の岩壁崩落等で生育環境変化、登山者の増加で絶滅が危惧される。
岩場の岩壁崩落等で生育環境変化、登山者の増加で絶滅が危惧される。
今では、尾瀬に自生が見つかっている。それでも絶滅の危機には変わらない。
他方、下界の園芸店には鉢植えで販売されている。販売物の出処は???
そんな販売物を見ていると、自生地の保存・保全は急務と思うのである。
それにしても園芸店のそれは¥1.000に満たない。淋しい感覚に落ち入る。
「令和陸年(皇紀2684年)9月5日、記」