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- 今年の読書(112)『幸せの条件』誉田哲也(中公文庫)
誉田哲也といえば、アグリッシな女刑事を主人公に据えた、 <ジウ>シリーズ や、 <姫川玲子>シリーズ の刑事小説の印象が強いのですが、本書は畑違いの「農業」を主題にしています。
お気軽に片山製作所勤務の<梢恵>は24歳、恋も仕事も中途半端にこなしてきています。発明家を自負する社長から、突然「バイオエタノール用の米を作ってくれる農家を探してこい」との社命を受け、いきなり長野県の農村に出向きます。
突然の飛び込み営業で成果はきたいできず、地元の農業法人「あじもぐ」に住み込みで、農業体験に参加、日本の農業問題、東北大地震の影響、エネルギー問題等を自らの体験を通して考えていきます。自給率等の数字のマジックなど、読みながら<神門義久>の 『日本農業への正しい絶望法』 を思い出しておりました。
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