高知県と静岡県の干潟で見つかった生物を千葉県立中央博物館が分析したところ、化石でしか存在が知られていない甲殻類の「オオスナモグリ」である可能性が高いことが分かり、標本が公開されることになりました。
「オオスナモグリ」は、固いハサミを持つ甲殻類で、関東の太平洋側から沖縄にかけての50万年から8万年ほど前の地層で化石が確認されているだけで、絶滅したと考えられてきました。
こうした中、3年前に高知県土佐市で、そしておととし静岡県沼津市の干潟で、それぞれ捕獲され、千葉県立中央博物館に持ち込まれた生物を分析したところ「オオスナモグリ」の可能性が高いことが分かったということです。
捕獲された生物は体長がおよそ10センチと、現在も一般的にみられる「二ホンスナモグリ」より1.5倍ほど大きく、ハサミの形の特徴などが「オオスナモグリ」の化石と一致したということです。
またDNAの配列も一般的な「二ホンスナモグリ」などとは異なっていることが確認されたということです。
化石でしか知られていなかった生物が現在まで生き残っていたとすれば驚くべきことで、今後の調査研究が重要になってくることでしょう。
千葉県立中央博物館(千葉県千葉市中央区青葉町955ー2)では6日からこの標本を一般に公開することにしています。標本のほか、50万年から8万年ほど前の地層から出土したハサミの化石なども展示されるようです。
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