超新星爆発の残骸@「カシオペヤ座A」
Apr
21
研究成果では「超新星爆発は素粒子のニュートリノによる加熱が引き金になるという有力な理論の証拠を、初めて観測でつかんだ」としています。
質量が太陽の10倍以上ある恒星では、内部で次第に重い元素の合成が進んで鉄の中核が生じ、最終的に重力でつぶれて原始的な中性子星ができます。有力な理論では、この中性子星に向かって周囲の物質が一気に密集した後、反動で跳ね返って衝撃波が外側へ向かい、超新星爆発を起こします。この際、大量に放出されるニュートリノの一部が周囲の物質を加熱すれば、爆発のきっかけになると考えられていますが、観測で裏付けられていませんでした。
カシオペヤ座Aは1680年ごろに超新星爆発を起こし、さまざまな元素が放出されて周囲に広がっています。分析では、鉄が外側に飛び出るように分布する部分に注目し、観測データを詳細に解析。その結果、この部分には鉄よりやや軽いクロムやチタンも多く含まれ、ニュートリノによる加熱が起きていないとこうした組成にならないと結論付けています。