【vette】 11年か12年前、友人のKがアメリカから持ち帰ってきた彼女。 本国では、オーナーのガレージの前に放置され、室内は枯葉が詰まっていた。 ボディは艶を失い、金属部分は錆付いていた。 その状態の彼女を見て、妖艶な何かを感じてしまった。 Kは大金と労力を費やし、彼女を一定以上の仕上がりへと導いた。 仕上がった彼女を、始めてみた時の事を今も忘れない。 その後、彼女は僕の手に渡り、10年の歳月が流れた。 金が足りなければ、がむしゃらに働いた。 どんなに苦しいときも手放しはしなかった。 老朽化対策と熱対策。 美しさと速さ。 色々な課題が山積していた。 この10年で、ステアリングを握ったのは、15回ほどだろうか? ガソリンを入れた記憶も少ない。 一時は、マルチポート・インジェクションも装備した。 ワンオフのパーツを、いくつも作成した。 このクラシカルなボディを、最新のテクノロジで走らすためだ。 そして、いよいよ完成が近づいている。 そう願いたい。 写真は、1997年当時、427(7リッター)エンジン。