レースをするのは1日だけだ。 旅に出ても1週間ほどだ。 しかし、準備には何週間も必要になる。 今年もレース艇は、ニヌハ2を使用する。 波を切り裂くカーラは、さらに鋭角に削り込んだ。 表面の仕上げは、今までのかまぼこ油ではなく、ワトコを使用した。 ワトコは木材に浸透して内部に塗膜を作り、木材表面には塗膜をつくらない、優れた特性を持つ。その他にも、ほとんどの箇所に手が加えられた。 座席位置はさらに低く、安定性を重視した。 漕ぎ手は辛くなるだろう。 風は掴みやすくなるだろう。 糸満私立中央図書館で見た、「海の民」という昭和初期の白黒の画像に影響を受けたことでそうなった。 それが、カッコイイからだ。もちろん、チェックも怠らない。 驚いたのは、カーラの保護板を支えるボルトが、磨り減っていた事だ。 船の上げ下ろしで磨り減ったのだろうが、ボルトの頭は、まるで紙のようにぺらぺらの状態になっていたのだ。今回は、ニヌハ2という艇にとって限界性能まで到達している。 今年のニヌハ2が「完成型」だ。 この艇で、ベストメンバーによる参戦は最後になるかもしれない。これから、わずかな期間の練習と、海図と潮流の確認、あと選手の実力を見極めて、交替の計画・・・。いつものように、僕の夏が終わる日が近づいてきた。 今年は、6月24日。 僕は毎日を完全燃焼させている。 だが、その日は燃え方がちょっと違う。 核爆発の炎が、辺りを焼き尽くすような1日なのだ。
Posted at 2007-06-03 20:56
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Posted at 2007-06-04 06:14
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