「風立ちぬ」鑑賞記
Aug
4
歩いていてフラつくようなすでに猛暑の午前中に、
ジプリの「風立ちぬ」を鑑賞した。
この映画は、ゼロ戦開発者の堀越二郎氏の半生と、
堀辰夫の「風立ちぬ」を混ぜたような映画だ。
しかし、兵器としてのゼロ戦はほぼ出現せずに、
飛行機開発ということが主になっている。
ゼロ戦を期待してるとちょっと肩すかしかもしれない。
しかし、主人公の一人「菜穂子」の存在は大きい・・・。
飛行機開発という硬派な筋立てにもう一本の伏線が味わいがある。
話は主人公の学生時代から始まる。
ここで出会った菜穂子との再会。
これが実にいい。
最後彼女の結核ということからの話は、
一つのクライマックスがあって、
歳のせいかうるうるきたね・・・。
一つあれ!?・・・と思ったのは、
この菜穂子という女性の名前は「風立ちぬ」ではなくて、
堀辰夫の別の小説「菜穂子」から来てるんじゃないかと思う・・・。
なんかほんとある種ごちゃ混ぜになってる感じはした。
飛行機という文明の利器の夢と残酷。
この二面性を描いてると思う。
最後の戦闘機や爆撃機の残骸を行く主人公・・・。
言葉はなく淡々とした姿が意味の深さを象徴してる気がした。
主人公のせりふ回しも技術者らしく、
淡々とした感じと菜穂子との最後の日々を迎える時の激情の対比が、
いい感じにメリハリがあってよかった。
声を担当したのは素人ということで、
それがかえって成功してた気もした。
妙に作らなかったのが、
逆に効果を上げていたという気がした
映像はさすがジプリという感じ・・・。
関東大震災の場面など圧巻だった。
時代の街の風景から外国まで幅広く扱っていたが、
街の雰囲気空気感をしっかり描いていたと思う。
こういうところはさすがに手馴れているのかな・・・。
堀越二郎氏のゼロ戦開発の半生ということで、
どんなことになるのかなと思っていったが、
新しいものを生み出そうとする情熱と、
飛行機の持つ夢、そして兵器としての道具。
これがテーマだったかなと勝手に解釈して映画館を出た。
Posted at 2013-08-04 21:00
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Posted at 2013-08-17 02:01
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