この映画は原作も読んでいたので、
かなり興味深く見ることができた。
原作にないシーンもあったがそれがより理解を深める効果があったと思う。
なんとも見た後にひかれるもののある映画だった。
姉弟の二人が祖父の宮部久蔵の戦歴を訪ねるという構成だ。
原作にはそのいきさつも書かれていたが映画では簡単になっていた。
宮部の足跡を訪ねる最初の登場人物は、
「宮部は航空隊一の臆病者で恥だ!」と罵倒するところから始まる。
この役は平幹二郎だが、
のっけから迫力ある声と言い回しで、
少々ドキッとさせられる。
臆病者というところから話は始まるが、
その一言では終わらない宮部の真の姿が、
取材する老人たちの口から語られ次第に明らかになっていく。
一度だけ妻役の井上真央の待つ家に帰ってくるシーンがあるのだが、
ここがテレビのコマーシャルになっている場面だ。
ここで「必ず帰ってくる」と言い残してまた戦場へ戻っていく宮部。
真珠湾から始まって沖縄戦まで、
若い搭乗員とのかかわりの中で、
死ぬんじゃないと繰り返す宮部。
しかし、戦況は特攻隊を編成するまで悪化。
その特攻隊を掩護して突入させるということを繰り返すうちに、
次第に変わっていく内面・・・。
自分を訓練の時に辛くも体を張って助けてくれた隊員と、
特高の日ゼロ戦を52型から21型に変えてくれるように頼んで、
そのまま飛び立っていく・・・。
結局、若い特攻隊員はエンジン不調に見舞われ喜界島に不時着。
ここのところがなんとも深い場面になっている。
なんだか泣きそうになったな。
宮部は52型のエンジンが不調になることを見抜いていた・・・。
若者を残して自分は特攻で死んでいったということだ。
分で書くとこれだけだがこのあたりのことは、
原作を読んでも映画でも泣けてくるね。
原作では本編と同時進行で若い姉弟の複線のドラマも書いてあって、
これがまた非常にいい!!
主演の岡田准一は原作の主人公の個性と重なって、
なかなk良かったなぁ・・・。
最後の特攻で突っ込んでいく表情の変化は素晴らしい!!
井上真央も若手女優で見るまではどうかなと思っていたが、
これも熱演だった。
一日だけの滞在を終えて帰る宮部の背中を掴んで離さない、
これはいい表情が出ていて泣かせたな・・・。
若い搭乗員役の俳優もそれぞれの性格を出していて、
しっかりメリハリがついてい素晴らしい!!
訪ねて歩く老人たちもベテラン俳優で、
セリフの言い回しから雰囲気から、
場の空気をピンと張りつめたものにしていて、
長いセリフをしっかり見てるものに伝える。
いい緊張感があった。
いろいろ戦記物を見てきたが、
この映画はちょっと違う・・・。
特に空戦場面の臨場感はビックリだ!!
スピード感が結構凄い。
父親が見たらなんというかななどと考えたりした。
こういう中に父親の青春があったのかなと思うと、
なんとも考えさせられるものがある・・・。
もう少し戦争中の話を聞いておけばよかったなと思うと残念だ。
- If you are a bloguru member, please login.
Login
- If you are not a bloguru member, you may request a free account here:
Request Account
Posted at 2014-01-03 03:55
People Who Wowed This Post