グンデル・ワヤンの続き
Mar
23
グンデルは村によって、同じ曲でも弾き方が異なる。であるから、習う先生によって演奏のスタイルが違うのである。日本では、だいたいスカワティという村のスタイルを演奏する人が多く、あと、トゥンジュク・スタイルやウブドゥ・スタイルなどがある。
実は、このグンデルを私はちゃんと先生について習ったことがない。私がグンデルを人前で初めて演奏したのは15年以上前で、スカワティで習ってきた人が音工場の発表会で演奏したいが4人メンバーがいないのでやってくれと言われ、発表会の3週間前に「ビモクロド」という曲のテープを渡されたのが最初である。テープを聴いて無理だと思ったが、なんと一緒にテープを渡された一人がテープから数字譜に起こして、メールにコピー&ペーストして送ってきた。すごい。会社で昼休みにテープを聴きながら起こしたという。私とは頭の構造が違う。ここまでやられては演奏しなければならないと思い、必死に練習し覚えて、合わせの練習において、なんとか、みなについていった。そして、一曲では物足りないということで、もう一曲「スカル・マド」という曲のテープを渡され、これも、またメールで数字譜が送られてきて、こちらは前日に一回合わせて、演奏会の本番を迎えた。本番はどうだったかよく覚えていない。私は左利きなので、何回か右手が演奏についていけなかったことだけは覚えている。 しばらくして、ウブドゥの先生について習っている人が「レボン」という曲を弾きたいというので、今度は五線譜に数字が書かれた譜面を渡された。これは、結局一回音工場での練習の前に合わせて終わった。そして、7,8年前にトゥンジュク・スタイルを演奏する人たちに誘われて、山梨のワイナリーで演奏するからと「ムランゲロー」という曲の譜面(10鍵分の線の上に点が打ってある)を渡されて演奏した。このときに、トゥンジュク・スタイルの「レボン」の譜面も貰ったので、「ムランゲロー」を覚えた後、ひとりで練習して覚えた。実はこのトゥンジュクの「レボン」はもう20年以上前に一度聴いたことがあり気に入っていたので、自主的に覚えたのである。ワイナリーで演奏後、一回練習に参加させてもらい、合わせてもらったことがあったかもしれない。その後、仕事も忙しく、他のガムランの練習にもなかなか参加できなくなり、グンデルはずいぶん疎遠になってしまった。
こう考えると、私はすべて、譜面でグンデル・ワヤンを覚えたことになる。もしかしたら、左右別々に覚えてドッキングさせることが出来ないのは、これが原因なのだろうか?
Posted at 2009-03-22 07:22
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Posted at 2009-03-23 17:07
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