ネットワーク構築は新しいステージに

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こう書くと大仰に聞こえるが、経験豊富なプロが設計するネットーワークは既にこの事を意識して実行しておられるはず。
問題はネットワークを「速度」と「費用」だけで考え、その果たしている役割、必要な技術に関心を持たず、接続出来ればOK、
特に問題は起きていないので「良し」と考えておられる方々があまりにも多いことである。
10Baseの時代とは大きく異なり、Gigaの時代となるとケーブル、特にメタルケーブルには高い周波数の伝送信号が通過する事になる、
500Mhzともなれば波長は60cmに過ぎず、僅かな直線部分があればたちまちアンテナとなってしまい、そのロス、それに他への飛び移りは、
この周波数帯での実験・測定を経験していない方々には全く実感出来ないと思われる。

これを踏まえ、新しいステージでは、「安定」と「トラブル防止」が主題になる。
こう書いても、ほとんどの方は「難しい事を言うな、理論はどうでもよい、現実にこれで
何年も動作している」と言われるであろう。元に、現場対応聞こえてくるのはこの「ご意見」のみと
言っていい。
しかし、一旦トラブルが発生するとほとんどが手を付けられない状態となり、その場逃れの対応がもっと状況を悪化させる。つまり根治療法では無く、
対処療法であるため、大抵は追加された配線・機材が、従来設置された機材と混在し、何がなんだかよくわからない状態となる。
しかしどうにか作動はしているので、そのまま使い続けられていまう。

もっとも問題なのは、この対処療法に無線LANを投入される場合で、これは症状を複雑怪奇かつ極めて不安定でセキュリティ脆弱なシステムとなってしまう。

特に企業システムがクラウドを使用している場合は、機能の多くがダウンしているため修復が急がれ、経験の少ない方々での対処療法が行われる事となる。
過去にもここのページで述べているが、ほとんどのHUBが搭載しているAutoMDIX機能は諸刃の剣で、かなりデタラメなケーブル接続を行っても、
速度は低下しながらも、どうにか通信は出来てしまうため、「まあ、これで良いか・・・・」となってしまう。

この対処療法が原因となって新たに引き起こされる手強いトラブルに「ループ」がある。UDPパケットが循環し、次第に増幅されて、
ネットワーク全体が最終的にはダウンしてしまう恐ろしいトラブルで、クラウド利用の場合は絶対に起こしてはならないトラブルである。
この「起こしてはならない」の語句に注意していただきたい。
実はループは自然発生はしない。
機器の故障でループになるケースは絶無でないと思うが、筆者は一度たりとも経験が無い。
筆者の知る限りループは人為的に引き起こされる。通信不能や遅延がPCの問題で発生した時、障害の切り分けが出来ないユーザーが
生半可な知識でHUBなどのLED確認をした時、そこに「外されているケーブル」を発見し、「ああ、ここでケーブルが外れている!」
と原因を決め込みHUBのポートに差し込む事で引き起こされるのである。

無論、症状は改善されず、問題はネットワーク全体に及んでくるが、当事者は、その
「誤った行為」が理解出来ず、「ああ、私のPCにだけでは無く会社全体がおかしくなっている」と判断してしまう。
結果、情報担当や業者の手を煩わせる事になるのだが、問題は最初のトリガーの部分が聞き取りでは判明しないケースが実に多い事である。
過失を犯した意識がないため、「申告」をしてくれないケースが大半となる。
ここでプロなら色々なケースを想定し、対応を試みるが、社内の情報担当者の場合、人数や修復時間の関係で、間違った結線を除去ぜず
、本来はメインであるはずのケーブルを外し、無理やり修復してしまうケースがある。
図はその一例、赤丸の基幹線を外しても、ループを引き起こしたケーブル経由でネットワークはどうにか作動してしまう。
無論速度などは低下し、VLANなどはある場合には予期せぬトラブルとなる。
つまり、本来のトラブルは赤線部分の誤った結線によって引き起こされたものだが。
それをそのままにして、赤丸部分の結線を外すことで症状は改善してしまう。
ただし、これは図のような単純構造の場合であって、複雑に構成されたネットワークの場合には、この対処がさらなる因子となり、
最後はどうにもならなくなるケースが大半である。
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