ニュートリノのスピード
Sep
25
David Brownの小説『天使と悪魔』にも登場する、スイスのジュネーブ郊外にあるCERNのLarge Hadron Collider(LHC)を使って陽子を加速してグラファイトに衝突させ、ニュートリノを発生させる。発生したニュートリノビームを730km離れたイタリアのGran Sasso National Laboratoryの地下1400mにある検出器に送り、ニュートリノがミューニュートリノやタウニュートリノに変換することを観測していたところ、ニュートリノが光速より60ナノ秒(ナノは10⁻⁹)早く検出されたという。この観測は主にイタリアと日本を中心とする11カ国の160名の物理学者により3年に渡り行われたが、ニュートリノの速度測定精度に関しては距離はGPSを使用し誤差20cm、時間の計測はGPSからの時刻をセシウム時計で補正し1.4-3.2ナノ秒の誤差とのことである。
CERNはこのデータの精度を注意深く検討してきたが、新事実のデータの公表により見落とされた点がないかを検証してほしい、と世界中の研究者に呼びかけている。特にこれまで茨城県東海村の高エネルギー研究所から岐阜県神岡のスーパーカミオカンデにニュートリノビームを送ってきた実績のある日本に期待を寄せている。
素粒子物理学や宇宙物理学では銀河系やその中の太陽系はもちろん、地球もその上に存在するすべての物質はビッグバンの際の物質と反物質の量のバランスが、わずかばかり物質の方が多かったために生じた、と言っている。すなわちわれわれはすべて星屑によって成り立っているのだ。星屑同士が喜び、悲しみ、愛し、憎みあって生きているこの世の中、ひとりひとりが自身を星屑であることを自覚すればもう少し住みよい平和な世界になるのだろう。
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Posted at 2011-09-25 19:57
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Posted at 2011-09-26 05:18
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