朝食後、高野山を発って京都に向う。
これまでに何度も京都を訪れているが、東山付近を訪ねるのは多分昭和27、8年頃以来だと思う。当時小学生だった私は、友禅染をやっている親の知人の家から大文字焼を見たことをかすかに覚えている。その時、産寧坂の瀬戸物屋でがまがえるの焼物を両親に買ってもらって、長い間大切にしていた。
週末ということもあって産寧坂は大賑わい、あちこちでレンタル着物の呼び込みをしていたせいか、たくさんの若い娘さんが着物姿で歩いているのがこの町にはよく似合う。着物を着るとどんな現代っ子でも日本人のDNAが現れ、しとやかになるのが好ましい。もっとも後ろから見ていると、着物を着て石段を登るのはいかにも不慣れな感じでかわいらしい。
洋子さんは私の母と度々京都に遊びに来ており、産寧坂は洋子さんの方が詳しい。母がひいきにしていたという安田陶器店で、洋子さんが結構高価な猪口を買ってくれた。
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