ねこは実によく眠る。眠ることに関しては天才だ。寸暇を惜しんではうとうとし、陽だまりでうずくまっているので起きているのかと思えば熟睡している。
朝起きてキッチンに行くと花里子は付いてきて朝ごはんをねだる。お座りをして左手のお手をし、お代りで右手のお手をしてから朝ごはんを食べる。子ネコの頃からドライキャットフードを与えているが、実においしそうにぽりぽりと食べる。
朝ごはんを食べ終えるとテラスドアのところに行き、外の景色をおとなしく眺めている。暫くすると眠くなるのか廊下にあるお気に入りのボトルウォーターの空き箱に行って眠る。われわれが朝ごはんを食べる頃また起きてきて、雨が降っていなければデッキに出てハミングバードやロビンやリスなど、その日に訪ねてくる野生の動物を飽きもせずに眺める。
われわれの朝ごはんが終わる頃自分のベッドに行き、子ネコの頃の想いでか暫くの間母猫のおっぱいの代りに毛布を前足で交互に押してうっとりし、それが終わるとていねいに毛づくろいしてから昼寝(朝寝?)をはじめる。昼食時になると起きてきてキャットフードを少し食べてからデッキに出てアウトドアを楽しむが、雨の日などは夕刻まで眠り続けることもある。昼食時に起きてきても30分もすればまた寝に行く。
5時頃には起きてきて爪とぎをしてから自分のお茶碗の前に座って夜ご飯を催促する。わがやでは5時半を花里子の夕食と決めているのでそれまでの間、辛抱強くおとなしく座ってお茶碗の前で待っている。この辛抱強さには感心させられる。ネコは獲物を待ち伏せして捕獲する習性があるので、この辛抱強さは天性なのだろう。
夕食が済むと再びデッキに出て鳥などを眺めるが、満腹のせいかハミングバードを襲う気は全くなく、ぼんやり眺めているだけのようだ。30分ほど経つと5、6ヶ所あるねぐらの中からその時の気分にあったところを選んでそこで眠る。
8時過ぎにわれわれがファミリールームでテレビを見たり本を読んだりしていると、花里子も仲間に入ってくる。おもちゃで遊んであげてもほんの数分で飽きてごろっと横になる。花里子のためのおもちゃが10種類以上あるが、ほとんどはほこりをかぶったままで、毛糸のボール、またたびが少しだけしみ込んだバナナのぬいぐるみ、プラスチック製猫じゃらしだけがお気に入りだ。11時頃にわれわれが寝室に行くまでわれわれにいたずらされる時以外、花里子はファミリールームで眠っている。
われわれが寝室に行く時は付いてきてベッドの足元で眠るが、暫くすると起きてテリトリーを巡回の後、自分のベッドで眠る。明け方には再びわれわれのベッドに来て眠る。
花里子はおそらく毎日20時間は眠っていることになる。野生なら自分の食料を捕獲しなければならないが、その必要がない飼い猫の身分では眠るのが仕事みたいなものだ。
不眠症の人にはネコがうらやましいだろう。
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Posted at 2010-04-30 23:21
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Posted at 2010-05-02 02:50
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