詩はそういうものではないだろう フラッグが振り落とされる 詩人は詩を書き出す 作品は十字×二十四行以上 書いた作品はネット上の読者から いい詩! のマークを規定以上に 押されたのなら通過詩としてカウントされる (詩人名は公開されず、数字が当てられている) その作品数で詩競争が行われる 二十四時間という耐久詩作祭 さあ、今年の優勝は果たして どれだけの名作を放ち名誉を勝ち取るのか
私は子どもの頃から 記憶力がとっても悪かった 漢字テストはいつも クラスで一番下の成績 毎日、ノートに漢字を書き 懸命に覚えようとした ノートの山は高くなるけど テストではいつも三十点くらい でもコンプレックの力で 今はそんなに恥をかかないくらい 漢字は書けるようになった
私から遠くにある空で あの笑顔で流れる景色の中を 新しい自転車に乗り あなたは走っていますね 私は相変わらず上手に乗れず あなたが残した自転車を眺めては 想い出だけが回っていました でもやっと私も走り出すことが できる気がしています あなたのように空を楽しむ雲となり
想像を超える激しさに 私たちはあまりにも無力であった 海の前でしゃがみこんだ 哀しみの姿を見たときに 帰らぬ悔しさは言葉さえ消してしまった 巻き込んだ連鎖は今でも続く 積まれた黒い悲劇の上には空が繋がり 疑問がぷかぷかと浮くばかり 過去と未来がけんかしているように 私たちは遠ざけてはいけない 無関心であってはいけない 苦しむひとを思いやれるのは 風ではないし 空でもないし 太陽でもないし 宇宙でもない やはりひとなのだから 現実を見て聞いて伝えて繋げて 私たちは平らになろう心で 応援するひとになり そこに生きる意味を輝やかせながら
今日は雨 ビニール傘に落ちる雨粒が やけに耳に響いてくるどんより雲のした 僕は学校をサボり 駅前のハンバーガーショップで ポテトをつまみ 油のついた指を拭く繰り返し そして通り過ぎるサラリーマンや OLの表情をみては 吹き出しに言葉を入れてみる ああ、取引先に行きたくねえなあ あの部長さんのオヤジギャグに 愛想を振りまく自分が嫌なんだよ ああ、帰りてえなあ、家に 雨も降っているし 遅刻、遅刻 また上司に嫌みを言われてしまうわ あなたがバンバン仕事を増やすからなのに もう寝不足で頭がおかしくなっちゃう お家のベットに入りたい 雨も降っているし みんな現実から逃げたいのさ だから僕が学校をサボっているのも そんなに間違ったことではない 学校の授業はつまらないし 話し相手もいるわけじゃないし 読みたい本もあるし 雨も降っているし
たぶん僕は意味もわからず 初めて人間をやっている 周りをキョロキョロ見て 声を聞きながら探り 触れた温もりが 握り返してくれたのなら 僕は生きていけるんだ なぜ生まれてきたの? そんなことの 意味は追わないのさ 生きていたいから生きていて それ以上に君の微笑みをずっと 感じていたいんだ
雨粒が雲から落ちる球体レンズは 表面すべてで落ちる景色を感じるんだよ この開放感の素晴らしさ、わかるかい? 地上に達し飛び散ったのなら 「快感」という声がひろがるくらい 素晴らしい世界を感じてしまうんだよ ああ、君は人間だから無理か かわいそうだけど、仕方ないんだな……
左手姉さんは近ごろ元気がない だから右手妹が頑張っている 右足弟がビリビリと大変がから 左足兄さんが頑張っている お腹母さんは 元気でみんなを応援している 脊椎父さんは近ごろ 疲れた疲れたと言って休んでいるけど 家族の力を集結して歩いている そしてなんだかんだ言いながらも みんなで楽しんでいる
鵜匠が鵜に対する 愛情がなければ鵜飼は出来ない 毎日、鵜の体調を見て 懸命に魚をする鵜を 大切にします 引退しても鵜匠と暮らし 亡くなった鵜の供養も行われます 鵜匠と鵜の織りなす鵜飼から 強い家族の絆が見えてきます