ツツジの甘い香りだと思ったら 素敵な誘惑は君の蒼い髪から流れて 恋も焦がしていないのに I love you. と、言わせてしまうのだから 君は慣れているように 僕を手のひらで転がして No way ! と、驚いたお芝居 なによりも君だった瞬間 僕がクレイジーだったわけではない
知り合いの知り合いに シックセンスを持っている方がいて まあ、他人だけど 予知能力で私の病気について 訊いてもらった 頸の後遺症はこのまま残りますが 今、患っている腰は良くなります、と 頸は現状維持で、腰は良くなるのか そんな嬉しいことない そうそう前向きに お言葉を頂戴しておこう 昨日のルートブロックも そこそこ効いているし 食欲がないわけでもないし 眠れているし 仕事では歯を食いしばり なんとかだけど なんとかなっている 今日は通販で腰に負担を掛けない 椅子に敷くマットを買った そう前向きに、前向きに 家に帰ったらコルセットを外し ストレッチ、ストレッチ 湯船に使って血の巡りを良くして 前向きに、前向きに さあさあ、痛いの痛いの飛んでけ さあさあ、痺れる痺れる飛んでけ なんとかだけど なんとかなるに違いない きっと私の未来はスキッと爽やか 弾む身体になってしまうのさ
おおきな絵本に小さな手 生まれたてのような瞳 窓の隙間からはそよそよと 風が通り少しのびた髪の毛が さらりと揺れている ページがめくられ お花畑を新しい友だちと 散歩に出かけている 目の前には小さな主人公 となりへ座われば 沈むソファで微笑みを見せ またすぐに物語へ
夢を追う時 君はやさしく応援する 現実に追われる時 君は僕の声が聞こえない お互いに疲れている 一生に何度という話ではないが 会話の先は見えている 何も言わずに歯を食いしばって 行くところまで行ったのなら 僕の納得があるのかもしれない 前向きに前向きに 突っ込んで倒れていければ それでいいじゃないか ナルヨウニシカナラナイ ヨワネヲハクヨリ ソコヘイッテオモイッキリ クダケチレバモウソレデイイ
初めて足が動かなくなった それなのにうつむき笑っていた どうしたのですか? ああ、ちょっと足が 大丈夫ですか、といわれ 私が笑っているのだから たいしたことでないと 思ってくれただろう 五分ほどして足を引きずり その場から離れた 近い将来、歩けなくなる日が 来るような気がしている MRI検査での結果が明日にはわかる 脊椎を三度も手術しているのだから この身体の変化には予想がつく しかし、出来ることはしてきたし 自分だけなんてとは思ったりしない やまぬ痛みが教えてくれた 逃げるところはない 戦うところもなく 笑えるときに笑おう、と 初めて足が動かなくなった それなのにどうにかなる、と 私は笑える人間になれていた
おいおい 地図の見方もわからねえのか あんた、地獄へ来るような面じゃねえ ここは地獄の入り口だ さあさあ、その地図を反対にして 天国へ行ってくださいな おいおい だからこっちは地獄だぞ 大丈夫か ああ、仕方ねえ 俺が天国まで案内してやるよ あんた、いい仏さんみたいだからな
繰り返してしまう悪循環を受け入れながら、どうやって微笑んでいこうか。ひとそれぞれの葛藤や悩み、苦しい、痛みがあり、それは自分だけのものではないが、やはり当人にとって最大級の生きていくための試練であり、どうにかユーモアへ変換したいものだ。言うのは簡単だが、超越に近い次元と思えばほど遠く感じ、どちらかと言えば諦めや楽観といった言葉がスタートラインになるのだろう。まずは今、出来ることをすれば、その先にもっと落胆が襲いかかることになっても、悔いはいずれ消えてしまうはず。やはり、自分だけの生きる知恵をつけようとしながら今、出来ることをする。それが微笑みをもたらすことに繋がっているような気がしている。
雨が降っています 身体にはきつく響きますが 心にはとっても やさしく響いてきます このまま、このまま ずっとこのまま 眺めていたいのです そんな気持ちの中にいても 進む準備をしています 電車が視界をさえぎり 目の前には能面をつけたひと 僕もそのひとりとなり 揺られているのでしょう 曇りガラスを手で拭い 広がっています濡れた街並み 今日も始まっています 雨に包まれながら やさしい気持ちになりながら 進んでいきます
キラリン ひらめいて 僕は発明をしよう、と 戦争がなく 差別もない平和な世界を 創りだす機械 いろいろなパーツを使い 組み立てています 絵や音楽に小説、詩 演劇にミュージカル スポーツなどなど 完成はしていません とても難しいからです でも、あきらめません
みんなの魂は青だった 今まで知らないで 僕は自分の色も知らず ひとに寄り添えば 消えてしまう赤だった 澄んだ青は赤を嫌った 負の奇跡は運命か それでも生きたかった 僕は燃えて燃えた やっと青に消えぬ赤に 無邪気を装いつつ 僕は燃えに燃えて今が 無邪気を装いつつ 歯を食いしばり燃えた