足を鍛えていると言って 鉄下駄を履く友だちがいた ブランコでの靴飛ばしにも挑戦した 彼からみんなは遠く離れた そんなに飛ばないよ そう言った彼の頭に鉄下駄が落ちた なあ、飛ばないだろ 彼は涙を流しながら無理に微笑む そして がらん、ごろん、がらん と、彼は消えていった
一歩踏み込んだ瞬間 僕たちにとって夢がひとつ叶った でもひとつ夢が消えた 届かぬ夢の物語は想像を消しながら ゴミをひとつふたつ落とし 雑草が広がるように 人間もエリアを広げようとする 生命力の根源は 絶滅を恐れているのだろうか 一歩踏み込んだ瞬間 次の繰り返しを夢みてしまう
まだ生きている僕に 出来ることはありますか 頑張ってきた記憶もなく 達成した喜びもなく 逃げながら生きてきたのです そんな僕ですが 出来ることはありませんか 僕を肯定してくれる環境が 変えてくれたのです 前向き考えられるようになり 頑張れるのです まだ生きている僕に 出来ることはありますか 自分でも考えていますが 僕に出来ることはありませんか
君の成功した話とか 努力した話はもういいよ 僕は君が思うほど 君のことを今は思っていない 誰かが評価した君は 僕の君ではないのだから 君の成功とか努力はいらない 指先から滲む君の詩から 感じたいんだよ純粋に
#光化学スモッグ詩 子どもの頃 夏に息を吸うと胸が痛くなった 光化学スモッグが 発生したと街に警告が流れる 工場の煙がもくもくと 規制緩く立っていたのだろう 大人になってから 突然、喘息になって苦しい思いもした 光化学スモッグとの因果関係はわからないが 何かしら身体に影響が出てもおかしくない 経済成長の頃、我々の身体の成長には疑問がある
もし誰かがいたのなら 驚きを隠しきれず 僕は通り過ぎてしまうだろう それは、君とは同じにはなりたくない 詩を読むことは恥ずかしいこと けして見られてはいけない 一冊の詩集を手にする しかし、すぐに足音が近づき その詩集をすぐに棚へ戻し 背後にあった棚から 誰もが読みそうな小説を抜く いつものことだ 詩を読むことは恥ずかしいことだから 誰かに見られてはいけない 足音が遠ざかれば 僕はまた一冊の詩集を手にして 読むことより 読んでいる僕が見られないように 細心の注意を払うのである
何があったのだろう 縁側から裸足で飛び出し 真夏のかんかん照りの下で 君の涙は風に吹かれ七色を飾る 涙の不思議は慰めも忘れさせ 僕は見惚れていた あなたも意地悪なひとね 惚けた顔して きりっとした視線の先には もう色などなかった
黄色い君は夏の友だち 手をひろげ すこし頭を傾げ 僕に話しかけてくる どこへ行くんだい 帰ってきたら聞かせてよ 僕の知らない夏を うん 今日は海へ行くんだよ 君にあとで 貝がらを見せてあげるよ 楽しみだよ貝がら どんな形で どんな色なんだろう じゃあ行ってきます 行ってらっしゃい
ちょっぴり寂しい気持ちになっても 静かに落ち着いてゆく モノクロな写真を繋げた物語には 僕が曖昧な視線でいる 誰にも声を掛けられず 主人公を演じているのさ 風に吹かれ前髪が 揺れるくらいの動きを感じながら 僕が僕の田舎を見ている
どんな夏にしたいですか と、囁く朝の生温い風は なんだか気力のない僕に らしさ を、取り戻して欲しかったのでしょうか ああ、また勝手なことを考えています でも 問題はらしさがわからなくなったのではなく 生きようとする力が湧いてこないのです まずは、どうにかしたい と、いう気持ちを取り戻すため 今日は話を聞いてもらうために行ってきます (とあるひとへ、いってらっしゃい)