ふとした日常の四角から I was born to love you 鬱陶しいほどの愛の叫びが 青空に白い一本の雲となり 君へ真っ直ぐに飛んで行く 愛は私たちの孤独を繋ぐ I was born to love you 聴いてしまえば純粋が蘇り この鼓動はすべて君のため 愛するために私は生まれた
小学生の時に漫画の 「のらくろ」のハンカチを 毎日もって学校へ行っていた 兵隊ののらくろがポケットにいれば なんだか頑張れる気がして 汚れたら帰って手洗い 毎日、毎日、お守りのようにして そして、ハンカチはボロボロになり 色あせて真っ白になった 今でものらくろは私の中で黒い
なるべく知らぬ場所へと 歩いているつもりだが 新しいことはない 連ねる言葉は自分の中にある フォーカスのあて方なんだろう そして固定概念を解く自分への 変化を求めることなんだろう なんでもなかった言葉が 気になる言葉となり なお定めである場所へ行く
台風は去ったようだ 青空は親指で隠れるくらいだ 日常の分別ゴミを出し すこし気持ちがリセット しかし、身体は重たい 足はそれほど上がっていない それでも進んでいる 折れ曲がった傘が 改札口そばのゴミ箱に 半ばで壊された人生を 終えたように突っ込まれている 揺れる電車、湿った景色 流れている時間に乗り 捨てれない自分を侘しく感傷的に 歪んだ静かな心象を覗いている 毎日、しがみついている 生活にしがみついいる 生きることの疑問を隠しながら 小さな青空に顔をあげて 何かいいことないかな と、訊いている
そうかい、そうかい そんなことがあったのかい ぶらんこばあちゃんは、公園のぶらんこにのり軽く揺れな ながらいつものように空を見上げ ほいほい、隣りはあいてるよ ぶらんこで空を見ると気持ちがいい、飛んでしまうよ 失礼します 青年は少し緊張した様子をみせ、かすれた声を発し鎖を握 りゆっくりと座った あんた、初めて見るね ちょっくら疲れた感じがするけど なんかあったのかい、わしでよかったら 話してみればいい、ひとは話すと心が緩むさ はい、僕は大学生なんですけど なんだか最近、気持ちが落ち込んでしまって 詩が好きで文学部へ入ったのですが 僕の周りには才能豊かな友だちばかりで 自分の詩はつまらないと思ったら ぜんぜん、詩が書けなくなってしまい あんなに好きだったのに興味が持てなくなり 何もする気もせずに生きていく気力さえないくらいで そんな僕をみて友だちは、ぶらんこばあちゃんに 話を聞いてもらったらいいよ、といってくれて ぶらんこばあちゃんは 青年の心境とは反対側にいるような微笑みをみせ 秋のどこまでも澄んだ青空を感じている そうかい、そうかい そんなことがあったのかい 詩が書けなくなってしまったのかい そうじゃなあ、人間ってのは比べたがる生き物なのかね 自分のことが可愛いのだから仕方ないのう けれど才能っていうのは、くじけた時に 這い上がって笑ってみせる力のことじゃないのかね あんたに必要なのは 比べない努力と何のために詩を書いているのか しっかりと自分に納得できる根っこみたいなものを 伸ばすこだとわしは思うんじゃがなあ そしたらたくさんの言葉が葉っぱのようにでてきて あんたという木はどんどん大きくなっていくさあ 青年はぶらんこばあちゃんの 揺れているぶらんこに自分も合わせだすと 頬をゆっくり滑る涙はキラリと光り ぶらんこのぎこぎこと鳴る音が時を刻むようだった ありがとうございます とても心に響いてくる言葉をいただいて なんだかすっとしたというか やっとこの青空も目に入ってきたって感じです 詩を書き始めた時の気持ちを思いだしました ぶらんこばあちゃんと話せてほんとうに良かった あやや、あやや、良かったのはわしの方じゃよ ぶらんこであんたと話せた幸せ なんというかねえ 詩人だったらうまく伝えられるかもしれんね そうじゃのう、この言葉にならないわしの思いを 詩にしてはもらえんかねえ それはちょっと難しいかなあ ぶらんこばあちゃんが登場する詩を書いてみます なんか、書けそうな気がして ほほう、そりゃ楽しみじゃのう その詩をぜひ聞かせてほしいなあ わしはいつもここにいるから待っとるよ なんせ、この歳になってもぶらんこが大好きで 話すこともたまらなく好きじゃからのう
当たりました十円が それ、ほぼハズレだろっ 。。。 あの〜、すみません十円を これと交換してくださいませんか 今、どうしても必要なので それ宝くじじゃないですか 多分ハズレだとは思いますが…… ああ、いいよ 。。。 当たりました十円が やっぱり十円かよ! 。。。 あの〜、
どうしたの君の空 べつに青くなくていいけれど なんだか元気ないよね 君につられて僕の空 寂しい色に包まれちゃって どうしたの聞かせてよ 空は繊細だから すぐに機嫌の色は変わってしまい そして僕と君の空はつながっているから 同じい色になってしまうんだ 話してみれば 落ち着いてゆくんだよ僕らの空 ひとりじゃないって凄いね どうにかなるんだから どうしたの僕らの空 どうしたのも忘れてしまうほど 時間は流れ暗くなり見えなくなって おやすみなさいまた明日 朝になればきっと元気な空の色
どこへ行ったの僕の雲 呼べばいつでも来てくれた 願う気持ちはいつも本気だった 僕はもう大人に成り始めているのか そんな事があるはずがないのに ……僕にある疑いが雲を遠ざける なんとなく理解し始めているんだ 風は知らない知らないと吹いて 夢でも見ていたんじゃない と、砂ぼこりは巻き上がる 自由だったのだろうか 気付かぬ毎日が その自由だったのだろうか どこへ行ったの僕の雲 呼べばいつでも連れて行った 心の青い空に今では夢の出来事になり 足は地に着いてさようならなんだね 僕の羽はもう着実な足を知ってしまった
松脂を塗るその手は とても繊細に優しく動く 顎に挟み込んだ後のひと呼吸も 演奏のように聴こえる 目の前から奏でられる音 それは何処か遠くから 大事に贈られた品のある高音 響きが身体に浸透してゆけば 連れてゆく遠い処へ いつかの何処かの安らぎへ