小学生の頃 インスタントラーメンデビュー お湯を沸かし麺を入れ スープを入れるだけの 今では六人家族のコック長 月に一度くらいは野菜いっぱいの インスタントラーメンを夕食にする 今では生麺と区別がつかない 進化したインスタントラーメンもある もちろん俺も進化したぞっ、なんて
頑張れないと社会で生きていくことは難しい 誰かに頼るにしても限度があるし それぞれの生きていく意味もあるから 生きてゆく力はあるのかい 贅沢でなくとも納得のいく考え方をしているのか なるべく自分のできることは小さくても それを頑張らないといけない 頑張れない者に頑張って欲しいと思っている 死にたいと助けを求めているのなら 話を聞こうじゃないか それでも頑張らない者が頑張れないというのなら 死ぬ気で頑張ることを楽しんでしまえ と、突き放してしまうだろう 頑張れない者の頑張らない哀しみの姿からは それ以降、何も伝わっては来ない厳しさがある
喜びのない100点 彼はすぐにテストをしまう 答え合わせを聞く必要もなく 窓の外をぼんやり見ている 落ち込みのない0点 俺はすぐにテストをしまう 答え合わせを聞きたくもなく 窓の外をぼんやり見ている そんな俺たちが 友だちだったりするのは 必然なことであった
むかし見ていた青空に 今では蚊が飛んでいる どうやら飛蚊症とかいうやつで 硝子体が濁り見えるらしい はじめの頃はほんとうに 蚊が飛んでいると思い叩こうとした 今ではもう数えきれないほどの 蚊、蚊、蚊、蚊、蚊である 完璧だった青空は 受け入れるべき青空に変り 今日も蚊が飛んでいる
月に一度 とある文学館へ行く 講義室の前を通ると 俳句を楽しむ方が いつも満員御礼なのだ 数人の詩人たちは それを横目に 何を感じているのか 会議室では 将来の詩のためにと イベントを企画 頭を捻りどうにか盛り上げ 俳句を楽しむ方のように 詩でもあの講義室を いつも満員御礼にしてみたい ひとりの詩もいいが 多数の詩はもっといいから
木村孝夫さんの詩集が届く 『私は考える人でありたい』 しろねこ社 なんだろう このしっくりとした感じは…… とっても素敵です 楽しみにしていたキムさん、しろねこ社さんの詩集 さあ、開いてみよう (震災詩が中心となっている詩集です。 木村孝夫さんはネット詩誌 MY DEAR の評者で、 私がたいへんお世話になっている大先輩です。 被災地の現場を巡り、詩を書き続け八年目。 その強さと優しさにいつも励まされています。 とても心に訴える素敵な詩集をぜひ、ご拝読くださいませ! ちなみにここ一ヶ月くらい、詩部門《ヤフーショップ》で売り上げ一位です! ↓ https://store.shopping.yahoo.co.jp/qwkdviwdipewy5eu2hsbqqavze/p7vcd4vuyx.html?sc_i=shp_pc_top_recomFromHistory_hist_1
君は女子大生に、俺は解体屋に 日が経つにつれて 共通世界は消滅し始めた そんな事はわかっていたんだ 頭ではわかっていたんだ でも自分の器がこんなにも 小さい事をわかっていなかった サンダーの火花 卑屈になるほど勢いは増し 鉄屑が軍手をすり抜ける 君は女子大生に、俺は解体屋に
おっと 昨日は詩を書いていない 気がつくと焦りだす 何を動揺しているのか 一日の穴に 落ちてしまう感覚を抱いている 昨日を言葉で埋めようと 書き始めるが 出だしの接続語を 書いて消して書いて消して 何を満たそうとしているのか 自分を労っていない癒しが 今日を襲って来る 今の思いを言葉で埋めよう ほらっ 何となくの詩が書けてきたぞ 自慰という題目の作品で 日常の穴が想像で埋まってゆく
波間の時に目を閉じる 今日もお疲れと 囁く声が聞こえたのなら 私の望む世界に寛ぐのだろう 終着駅は知らずの旅に 身を寄せてみれば 力は抜けて いったい何のために なんて考えなくても良い 底へゆく 古巣は静かに両手をひろげ 手を合わせる私を待っている