きっと月の裏 君は隠れている 白の陰で 言葉を飲み込み 膝を抱えて ひとりの太陽に 笑っている 雨は噴き上がり 濡らす足もと 囁いてくる 声は空の下から きっと月の裏 ここにいるよと 言えずに 君は隠れている
消えゆく冬にも 寂しさ覚え 変わりゆくにも 続く軋み 誰もいない 誰かがいた 古巣の温もり 帰りたい 帰りたい 動けやしない 萎む胸の静かな 帰りたい 帰りたい 尽きてゆくにも 心地よく 許す自分にも 風は抜けて
春の訪れに 桃色言葉 私はあなたのとりこ あなたは緑 私は桃 黄と白は一緒に かさかさ響いた 雛あられ ぼんぼりの灯りに 寄り添った節句 幼心を開けば ふと見えてくる まだ消えぬ 幼顔の残るあなた 変わらぬ恋の 桃色言葉 聞いてくれますか
おうおうおう この背中に咲いた桜吹雪が お前の悪事をお見通しなんでえ あらまあ きれいな桜吹雪だこと 春ですねえ そいつを叩き切れ とか言うんじゃねえか 違うぞセリフ まあ いいじゃないですか そんな日もありますよ はいはい これで一件落着 そりゃ こっちのセリフだぜっ
逃げられない痛み やわらぐ角度を探し 身体を傾けてみる 新たな部位、強さに 想像のつかない 得体の知れぬ綻び方 抑えられぬ白の粒 力はもはや蒸発 頼るべき先を失い 良からぬ思考 越えよう意思と 理屈の消えた解放へ まだ伺っている 顔を歪めながらも 次の自分へ
ひとりなのに ひとりじゃない ひとりじゃないのに ひとりだったね さみしいから てをつなぐのではなく たのしいから てをつなぐのではなく ひとりのきみがいて ひとりのぼくがいて きみがきみをおもって きみがぼくをおもって ぼくがぼくをおもって ぼくがきみをおもって ふたりにとりまく すべてをわすれあるく もしぼくらが またひとりになったとしても それは しんじつのひとりでなく そこから えいえんのふたりがあるく
これが私の発信する ブログの名称 詩は元気です 詩が元気? 詩は生きているのですか? と、言われてしまいそうですが 書かれた詩が拝読される方の中で 意図していない方向で 思いが膨らむこともあるでしょう それは詩が勝手に成長する 不思議な種を持っているのだから 生きていることを感じます 気持ちをのせる種には 書くことで満たされた元気が 入っているのだから 勢いよく咲くでしょう そんなわけで詩は元気です
痛みを忘れさせるクスリは根治でなく 病気が治るわけではなく 余計に身体を悪くさせるのかもしれない それでも生活があるから飲み続ける 働かなければ家族は途方に暮れてしまう マイナスを受け入れながらも 博打のような日々にミラクルを信じている 侵されながらも笑ってしまう 誤魔化しではなく楽観が力になって 今は進んで行けるのだから 人間は身体が朽ちても精神が育つ オリジナルの道が啓けてしまう生き物 自分の教科書なんてありゃしない 未知は怖い道なれども描く夢は自由 現実よりも信じる世界がある 明日も明後日も進む進む 出来ることに充実を得ながら 生きる姑息などないのだから 怯えず笑い飛ばせばよい
ダウンダウン 君の見た空なのかい 信じているのかな 僕は知っているんだ 投げ飛ばされた 勘違いの言葉が向こうへ ダウンダウン ごめんなさいも伝わない 浮かんでいる雲 乗れるわけもなく 君はどんどん遠ざかる 見えなくなるほどに 濃くなる姿はくっきり ダウンダウン どうかまた歌ってくれよ 聞こえるようにね 消えてゆく僕なのさ 願いは間違いなく泣いて どうでもよくを滑り ダウンダウン 上っては静かに揺れて ダウンダウン 零れてゆく力の空へ